今日は注音符号の話をちょこっと。
→この記事のあと、「これであなたも10日間で注音符号が読めるようになる!」シリーズでもう少し詳しく説明したので、よかったらそちらも見てね。
①単母音/②二重母音/③三重母音/④鼻母音/⑤子音(前半)/⑥子音(後半)/⑦最終回(声調記号など)/⑧番外編(zhi、chi、shi、ri、zi、ci、siとㄓㄔㄕㄖㄗㄘㄙ)番外編(日本語の「え」の音)⑨わたしはどうやって10日間で注音符号をマスターしたか
注音符号というのは、ボポモフォ、ㄅㄆㄇㄈ・・・つまり、台湾における「国語」(華語)の発音記号、日本語で言うとひらがなのようなものである。民国初期、1918年に正式な音標として制定され、当然、中華民国時代には大陸でも使用されていた。というか、漢語ピンインが制定されたのは1958年のことなので(意外と歴史は浅いのだ)、それまでは中華人民共和国においても注音符号が使われていたことになる。
台湾ではなぜ今もこの注音符号が使われているのかというと、1945年に日本から台湾を「返還」された中華民国の国民党の政策で、この注音符号が正式な音標であると認定されたから。そして、現在に到るまでそれがずーっと続いているからである。
もちろん、台湾でもローマ字は使う。でも日本でのローマ字の扱いと変わらず、地名や人名の外国人向けの表示とかに使うだけ。日本の小学生がまずはひらがなやカタカナを習うように、大陸の小学生がまずはピンインのアルファベットを習うように、台湾の小学生は入学後、まずは注音符号を徹底的に習うのだ。
漢語ピンインが(完璧に!←ココ大事♡)できるのなら、注音符号の文字さえ覚えてしまえばだいじょうぶ。基本的なところは漢語ピンインのシステムと同じなのでそれほど苦労はしない。ただし、以下のようにちょっとずつ違うところがあるので要注意!
①二重母音の ao は台湾では ㄠ(au) である。 ⇒ これはあまり知られていないが、詳しくは🈁。
②二重母音の「前をはっきり」型と「後がはっきり」型は、漢語ピンインでは基本的に対応している。ai と ia、ei と ie、ou と uo。ね。ao は普通話特有の表記なので外れちゃってるが、もし台湾方式(上記①)のままなら、 au と ua でキッチリ対応する。(あと、「後がはっきり」型だけにあるのが üe 。) しかし注音符号ではまったく別の書き方になる。注音符号では、二重母音の「前をはっきり」型は1文字で表して、「後がはっきり」型は2文字で表すのだ。具体的には次のようになる。
漢語ピンインの ai は注音では ㄞ と1文字。だが ia は i と a に分かれ、ㄧㄚとなる。以下同様で、
漢語ピンインの ei は注音では ㄟ 。だが ie は ㄧㄝ。
漢語ピンインの ou は注音では ㄡ。uo は ㄨㄛ。
漢語ピンインの ao は注音では ㄠ(au)。ua は ㄨㄚ。
üe には対応する「前をはっきり」型はない。漢語ピンインは üe で、注音では ㄩㄝ。
③漢語ピンインの場合、i、u、ü で始まる母音は、子音がつかないときには i は y に変えて、u は w に変えて、ü は yu に変えて表記するというルールがある(例外もある。 in は yin だし、 ing も ying)。しかし、注音符号にはそのルールはない。だから注音符号には 漢語ピンインで使用する y や w に相当する文字はない。
④三重母音の uei と iou は、漢語ピンインの場合、子音がつくと真ん中の文字 e と o が脱落する。例えば duei は dui と書くし、 jiou は jiu と書く。しかし注音では e も o も脱落せず、そのまま duei 「ㄉㄨㄟ」(d-u-ei)となる。 jiou も(j-i- ou ) 「ㄐㄧㄡ」。
⑤漢語ピンインは zi、ci、si だが、注音では母音 i は書かない。なので、前から順に「ㄗ」「ㄘ」「ㄙ」となる。
⑥同様に、漢語ピンインは zhi、chi、shi、ri だが、注音では 母音 i は書かない。なので、前から順に「ㄓ」「ㄔ」「ㄕ」「ㄖ」となる。
⑦漢語ピンインの in は、注音で i-en つまり「ㄧㄣ」。 ün も üーen つまり「ㄩㄣ」。
⑧漢語ピンインの ing は注音で i-eng つまり「ㄧㄥ」。
⑨漢語ピンインの ong は、注音では ㄨㄥ、 つまり ueng。「東」は 「ㄉㄨㄥ」。
⑩漢語ピンインの iong は 注音では ㄩㄥ、つまり üeng。「熊」は 「ㄒㄩㄥ」。
あとは、声調記号ね。注音符号の場合、第1声には何にも記号をつけず、軽声には黒丸「・」をつける、というところも漢語ピンインとは異なっている。