えー、最近あんまり音楽ネタ書いてないんですが、ワタクシはサックス吹いてます。
サックスって楽器は、トランペットなどの金管楽器と同じような金属製のボディに、クラリネットと同じような、リードと呼ばれる竹べらのような振動体を吹き口(マウスピース)に装着して音を出す構造になってます。
で、サックスと言えばみなさんジャズの楽器だと思われがちなんですが、元々はベルギー人のアドルフサックスさんが発明したもので、当初はクラシック音楽からの出発だったんです。
この音に感銘を受けたビゼーは、アルルの女のなかでアルトサックスを大活躍させていますし、フランスではサックスのためのアンサンブル曲もたくさん書かれてます。
↓の動画の1分12秒辺りに分かりやすくアルトサックスが登場します。
ジャズやポップスでは聴かれないような音色。
でね。
今から20年くらい前かなぁ。
私が初めてオーケストラに客演で呼ばれた時、弦楽器の鳴り方に衝撃を受けました。
目の前に楽器があるのに、楽器のある方からではなくて、自分の周りで音が鳴っているということに。
バイオリンの音が、バイオリンからではなくて、私の周りにあるんです。
音って、空気の振動なんだ。
波になって広がるんだ。
部屋中に音の波が広がってはね返り、また響き合うあの感覚は本当に感動的でした。
学生の吹奏楽の管楽器って、なんてゆーか
気合いと根性で吹き鳴らせ!
みたいなもので、そもそもちゃんとした楽器のメカニズムとか、演奏する人の身体がどうあるのが良いかなんて、あんまり教えられてなかったんですよ。
そんなもんすっ飛ばして、運指だのロングトーンだのタンギングだの。
そんなわけで、あれが私にとって初めての、音は振動、波動なんだなぁと体感した瞬間でした。
サックスだったらリードの振動が音となり、広がる。
サックスの管体と吹き手の身体が共鳴して豊かな響きになる。
さらに言えばコンサートホールの構造そのものが、鳴ってる音を増幅させる音響装置だったりするので、もはや吹き手は「鳴る」吹き方だけ気をつけて、あとは全部、楽器やホールに委ねれば良い。
そういった経験を経て私のサックスの吹き方も音も変わり。
当時中学生や高校生に教える時に言っていた言葉が
楽器は鳴るように出来てるから、鳴らそうとしないで、鳴る吹き方をして下さい。
サックスは、リードが振動しなければ音は鳴らない。
リードを振動させようとしたら、息がポイント。
マウスピースとリードの狭い隙間を通れないような量や勢いの息を吹き込んでも、音は鳴らないし、鳴ったとしても吹き手に負担がかかる。
頑張りゃ鳴るってもんではないのです。
それを都度都度、学生に教え、今は大人になってからサックス始めた人に教えてます。
教えながら気付いた。
「楽器は鳴るように出来てる」のと同じことが、人にも言えるんじゃないかって。
楽器の構造、鳴る仕組みを知るというのは、人の「在り方」を知るのに似ている。
自分という楽器の構造を知って、最高の音が出る演奏の仕方をすれば勝手に音は鳴る、響く。
なのに、サックスでトランペットの音を出そうとするからおかしくなる。
フルートにチューバの低音は鳴らせない。
時にメロディー、時に伴奏。
役割は変わっても本体までは変わらないし、変えなくていい。
それがあなただから。
