ロックダウンに入った事で、全てのお稽古事が止まったまま。
幸い、娘のピアノの先生がスカイプでレッスンを継続して下さっているので、これだけは続けられているが、スイミングや空手は再開の見通し無し。

そんな中、夫の空手の先生が4月から週3、しかも1回1時間半の無料トレーニングを「ズーム」という機能を使って開始された。
先生は16歳の時にアラブからヒマラヤに単身留学、その後は沖縄やあちこちであらゆる武道を学び何故かカーライルに来て、今は複数のビルを人に貸し出し、賃料で裕福な生活を送っている優し気なおじいちゃんである。
今は空手と太極拳、ヨガ、瞑想を教えているが、昔は合気道も子供達に教えていたという。

さて、そんな先生が自分の大人の生徒さん全てにトレーニングを無料で開始してくれたのであるが、例えば空手クラスの大人は太極拳クラスや他のクラスの人との面識がない。
しかしながら夕方6時前になると、いくつもの小さな画面の向こうから人々が「センセイ、ヨロシクオネガイシマス」と日本語で次々に先生への礼を言い始める。
そうして始まるまでの時間、互いに画面を通して自分の身体の事やトレーニングの事などを楽し気に話し合う。
それが日に日に団結と仲間意識を生み、今では始まる30分前から画面上で面識の無かった者同士であるが、同じ師を仰ぐ者たちが意見交換する場となっている。

私はそれを別の部屋で聞きながら、礼儀礼節というのは矯正されてするものではなく、尊敬の念から生まれる自然の言葉であり態度であるのだと気付かされる。
大人の空手クラスの中には、この先生に空手を習って30年以上という方々もいる。
師を心から尊敬する気持ちと、また師である先生が生徒へ思う気持ちから、この無料トレーニングが開始されたが、私は「ヨロシクオネガイシマス」という言葉をこんな場所で聞く事が出来て嬉しくなると共に、これを英語ではなく日本語で言う事の意味を深く感じた。
日本語は美しいと心から感じる瞬間である。
人気ブログランキングへ