日本に住んでいた頃、お正月というものを考えた事もなかった。
自分で正月料理など作る事もなく、病院勤務のせいもあって正月に仕事が普通であった。
しかしながらイギリスに来て特に子供が生まれてからは、日本文化を教えなければ・・見せなければ・・という思いが強くなって行った。

一度だけロンドンにある日本食スーパーから冷凍のお正月用食材を取り寄せたのであるが、そのマズさに絶望し、そこまでして喰うモンなのかと考え、ならば手に入る食材で見た目がかけ離れていてもエエかと思うようになった。
以後、手に入ったら生マグロやサーモンを乗せたちらし寿司など作って臨機応変にやってきた。

が今年は、もうそれもエエか・・と思うようになった。
結局、イギリスに育つ子供達に彼らが見た事も無いお正月を語ったところで、想像は付かない。
それならば、いつか日本に暮らす事があった時、こういうもんだと見せた方がエエ。
何一つ材料の揃わない中で無理に作るのも飽きてきたのかも知れない。

そんな中、いつもの八百屋で大根と里芋を発見した。
思わず八百屋の顔見知りの兄ちゃんに「ああ!!これ入れてくれてありがとう!!」と言うと「俺に聞かんといてや。使い方とか喰い方は知らんで」と言った。
里芋を買いながら、ああ・・コンニャクが買えればなと思うが、無いもんはしょうがない。
大根も、年に1度程度なら大手スーパーで見かける事がある。
しかしクタクタの大根で、大根おろしにしたら100%マズいと思う大根を、わざわざ買いたいと思わない。
里芋も母が煮てくれたイカと里芋の煮ものが好きであるが、ここに母はおらず、イカも魚屋にあったら幸運で、いつもいつもあると思うなイカとタコ、これがカーライル生活である。
しゃーない・・里芋は鶏肉と煮るわ・・

と言うわけで、里芋と大根にありつけただけでも幸運な年の締めくくりかなと思う。

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