私がオーストラリアに住んでいた頃、とある小学校で働かせてもらっていた。
その小学校は週に3時間、日本語の授業があり、先生も数年以上は日本で勉強したり暮らしたりしていた人達で、高学年にもなれば、簡単な漢字も書けるほど熱心に日本語を教える小学校であった。

学校は3時半に終わっていたので、終われば簡単に片付けて帰宅していたのであるが、ある日、先生とイベントの打ち合わせをしていたため、居残っていたら、隣の校庭からボールの音が聞こえてきた。

見ると高学年の女子達が、バスケットボールをやっていた。
しかも遊びではなく、いわゆる部活であった。
部活文化の日本から来た私は、オーストラリアにも部活めいたものがある事に驚いた。

しばらく見ていたが、バスケと言えるほど形にもなっておらず、言い方は悪いが下手そのものである。
私が窓から覗いていたら、気が付いた女子達が「トミー!!(私のあだ名・・何故かトミーと呼ばれていた)こっちに来てよ!!」と呼ばれた。
この子達にも日本語を教えていたから、いつも慕ってくれていたのである。

聞くと、最近バスケットボールクラブが生徒達の希望で立ち上げられたものの、経験者も指導者もおらず、とりあえずルールを覚えた先生が立会い、ただただ自己流でバスケを練習しているということであった。
そんな流れから、私が見れる日だけバスケを教えるという事になった。

しかーし!!
私の極貧英語が問題である。
ルールを説明するのは先生に任せ、ひとまず肝心のシュート練習と試合に対応できるようなフォーメーションの色々を教えるのが精一杯である。

それでも彼女達は必死に理解しようとし、熱心に練習してくれた。
もう彼女達も20歳以上になっている。
少しは日本語を覚えていてくれるだろうか・・・などと、オリンピックを見ながら思うのであった。

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