年に一度のクリスマスに、全力を懸けているイギリス人達。
それほど大事なイベントであり、また楽しみなイベントでもあるのである。

「今年はどこの牧場から、オーガニックの牛肉と七面鳥を取り寄せた」「今年は、どういう前菜を出し、どんな食器でもてなそうか・・」等々、とにかく10月頃から12月25日まで、そのストレスはピークに達するわけである。

デパートに来る買い物客でさえ、楽しい買い物とは打って変わって、イライラを募らせながら買い物に来る。
1日中、買い物で歩きつかれ、それでも買いたいものが見つからず、「娘婿に何を買うべきか・・」、「これを嫁が気に入ってくれるだろうか・・・」などなど、買っては返品し、また買っては返品し・・・と悩みながらプレゼントを買う人達も多いのである。

そうして迎えたクリスマス当日。
さあ、いよいよプレゼント交換の朝・・・
ワクワクしながら箱や包み紙を開けるのであるが、その瞬間に始まるバトルがある・・・

そう・・「クリスマス崩壊」である。
自分が送ったプレゼントに対し、明かに相手から自分に送られたプレゼントが安物だったり、センスのカケラも無かったり、使えない物を送って来たりと、自分が数ヶ月をかけて尽くしたストレスが、一気に崩れ落ち、落胆から怒りに変わる瞬間、友人関係や家族関係が崩れてしまうのである。

うちの職場では、既に2人が絶交状態にある。
休みも一緒に取り、旅行も一緒に行っていた、あんなに仲の良かった2人が、クリスマスを明けて以来、
完全に無視状態である。

聞けば、1人がクラランス(フランスの有名化粧品)を送ったのに対し、相手は髪の毛を束ねるときに使う「ゴム50本入り、色とりどりセット」を送った。

しかし、決して嫌がらせで送ったわけではない。
本気で考え、「あの子、髪の毛長いから、ゴムが沢山あった方がエエやろな。ついでに、色も種類があった方がエエやろな」と思ったからこそ、「ゴム50本色とりどりセット」だったのである。

しかし受け取った方は、金額の差と手抜き感を感じてしまい、笑えなかったのである。

本来、プレゼントとは気持ちで送るものであるから、気持ちだけを受け取るべきなのである。
しかし、そこが難しい所なのである。

うちの旦那家族も、例の如く、オーストラリア人の嫁同士がクリスマスプレゼントで既にモメた。
旦那の一番上の兄夫婦(嫁はオーストラリア人)が、二番目の兄夫婦(ここも嫁がオーストラリア人)の子供4人に送った内容が、「気に食わん」と言うのである。

次男夫婦の子供3人(嫁の連れ子であるが)には、黒のTシャツをそれぞれ1枚、4番目の2歳になる子にはDVD。
しかし、次男の嫁は「うちの息子は黒を着ない。DVDも、既に同じのを持っている。送る前に、一言聞いてくれば良いものを、失礼極まりない」と義母に抗議。

しかし、プレゼントをサプライズ気分で送っている長男夫婦にしてみたら、「次男夫婦の子供が、黒を着ないなど初耳。同じDVDを持っているのなら、売るなり誰かにあげるなりすれば良いだけの事。文句言われる筋合いは無い」と反論。

私にしてみたら、長男夫婦に非は無いと今回は思うのである。
文句を言う前に、先に、アリガトウちゃうんかい!!と、思うのである。

そんな事を義母が私に話し、「毎年、毎年、ウンザリ来るわ・・・」と疲れ切った義母に私が出来るのは、聞くことだけなのである。

しかしながら、そんな次男夫婦は、うちの1歳になる娘に、人喰いザメの写真が、ただひたすらに載っているカレンダーを送って来た。

1歳が「えーと・・来月の予定は・・・」とカレンダーを使うと言うのか?
人喰いザメである必要はあるであろうか?

しかし、私と旦那は何も言わない。
次男夫婦は、1歳の子供が本気でコレを喜ぶと思ったかも知れないし、ただ安上がりで選んだだけかもしれないにしろ、言っても無駄だからである。

クリスマスプレゼントは、気持ちで受け取るものだという基本に沿って、神聖な気持ちで受け取るしか仕方がないのである。

義父母は「人喰いザメカレンダー」に絶句していたが、私はもう腹も立たない。
ただただ・・失笑するばかりである。

今回のバトルで、義父母は初めて気が付いた。
「次男の嫁・・・文句多いな・・」と。
今頃かー!!

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