「35万円!」
「高~、もっと安いブリーダー紹介したのに~」
昼休み、無邪気に話す声。
ティーカップだって?
話す気はないし、彼らには届かない。
価値観が違う、たぶんそんな一言で終わる。
産むこと、生まれることと、
産まされること、生まれさせられること。
その違いは、きっとわからない。
胸が詰まり、PCの陰でうつむき、涙と嗚咽。
大音量の音楽で耳を閉ざす。
自分だけを正当化する気はない。
売れない、このままだとオークション行。
同じ月数なのに、ちょっとだけ大きかっただけで、
小さな子しか見えない人たちの視界からはずれた子。
モノ扱いで割引札がついた子。
そのときは、可哀想。
それだけだった。
でも、あとから知った産みのバックヤード。
あたりまえの人間たちの産む権利。生まれる権利が、
同じように生きる人間以外の動物たちには・・・ない場所。
知らない、それは責められることじゃない。
ただ、知らないことも罪。
知る機会に、
もっと早く出会えたら。
少しずつメディアで目にするようになってきた今、
それでもまだ、まだ、まだ足りないけど、
できれば子どもたちに、幼いうちから知ってほしい。
お金も時間もない、あまりにも非力な自分に
そんな自分にできること・・・
「もっと知ること、ずっと忘れないこと、
届く人に伝えること」
いまは口だけでも、
書く仕事が、この先いつか何かの役に立てる日が・・・。
ね、える・・
そして、虹の橋で待っているラン。
