近代以前においては人々は生活基盤を維持するために、共同体や自然とのかかわりに深く依存していた。小さな生活単位では生活が維持できなかった。

現代では電気・ガス・水道など、ボタンや蛇口の操作一つで利用することができるようになった。また、必要な物品は商店で購入することができ、共同体や自然への依存を日々の生活の中で体感する機会が減少した。

助け合わなくても暮らせる状態、これは家庭の孤立化、個人の孤立化を促進させ、共同体にひずみを生み出した。例えば昔は拡大家族が多かったが、現在では独り世帯が3割に達した。独り暮らし世帯の増加は、自殺の増加、若者の晩婚化、老人の孤独死、ホームレス問題に関連していく。

ボランティアはそんな社会の現状にあって、改めて共同体の一員としての役割や自然との調和を再認識する取り組みであり、「つながり」を再構築するものである。

実際にボランティアやボランティア団体が活躍している分野が、福祉、自然災害の被災者支援、障害者支援、環境などである。全て人と人とのつながりや、人と自然とのつながりを再構築する役割を果たすものが多い。また、これらは行政が担当する分野でもあるが、画一的なサービスを提供する行政で賄える範囲は限られており、素早く細かい対応ができるという点にもボランティア活動の利点がある。

つながりの再構築は、人が孤立しがちな現代にあって人間性回帰につながるものでもあるが、そんな大それたことを考えなくても、安心感、満足感をもたらし、関わった人の暮らしをより豊かにするだろう。