素敵なブログ❣️
https://contents-consultant.hatenablog.com/entry/20111120/1321786799
シルヴィ・ギエムが「本当に一流なら素人が見ても凄いとわかる」と教えてくれた。
1号です。
前回の記事で続きで、シルヴィ・ギエムという天才ダンサーの公演で1号が学んだことを書きます。
先に要約すると、
目利きを自称する人の「▲▲*1で満足してるようなシロウトには、◆◆*2の良さがわからねーんだよ」という言葉を真に受けてはいけない。
ということです。
この「▲▲」と「◆◆」の間には、確かに“差”が存在します。
かつて1号も“違いの分かる男”ぶりたくて色々勉強したりしました。
でも、実際には。
その“見る目のある人にしか分からない差”って、彼らが言うほど重要な差では無かったんですよね。
シルヴィ・ギエムのダンスは誰が観ても、問答無用で、圧倒的に凄かったのです。
偉い批評家や評論家の先生に「これはスゴイものなんですよ」と解説していただく必要性が全くなかったのです。
ちょっとたとえ話をしてみます。
コンテンツを心を震わせる電波を飛ばす“電波塔”、視聴者を“アンテナ”だと思ってみてください。
訓練された目利きの“アンテナ”は、より微弱な電波でも受信して心を震わせることができます。
でも10年後、100年後に語り継がれる本当に超一流のコンテンツは敏感な“アンテナ”なんか必要としないくらい、超強力な電波を出して“アンテナ”の精度に関係なく多くの人の心を震わせることができるものなのです。
シルヴィ・ギエムの出す段違いの電波の前では、▲▲の出す電波と◆◆の出す電波の差を語ることにさしたる意味はありません。
この気付きは、現在1号がコンテンツ関連のお仕事をする際にも役に立っています。
■シルヴィ・ギエムの何がそんなに凄いのか
『グラップラー刃牙』という格闘マンガに極真空手の創始者・大山倍達をモデルにした愚地独歩というキャラクターが登場します。
彼はコミックス第6巻で「見えない攻撃」を披露します。
別に拳や足が本当に消えるわけではありません。
あまりに動きが自然で知覚できないため眼前に拳が迫っても動けないのです。
攻撃の種類を予告されても回避行動を取れずに驚く主人公に対して、愚地独歩はこう話します。
わたしはね
今 見せた基本技を五十年……
毎日千本以上続けているんだよ……呆れただろ……
それができる馬鹿なら誰だって今のような真似ができるこのトンデモなエピソードを地で行くのがシルヴィ・ギエムのダンスです。
彼女の動きはあまりに自然で滑らかなため、じっと見入っているはずなのに動いているのか止まっているのかすら分からなくなる時があるのです。
天賦の才能、鍛え抜かれた肉体、徹底的な鍛錬が揃ってはじめて現出する奇跡のパフォーマンスだと思います。彼女のダンスについては、ブログ検索をすれば色々な方が言葉を尽くしてあらゆる角度から感動を描写しようと試みた成果を読むことができます。
その中で1つだけ紹介するとしたら、1号はこの記事を奨めます。感動の熱量が文字に残っている感じが良いです。
2月7日。この世に天才はいる。シルヴィ・ギエム『ボレロ』。|三谷晶子の日々軽率。ビッグコミックスピリッツで現在連載再開中の『昴』というバレエ漫画に、バレエで人の聴覚や視覚も支配できるダンサーが出てくるんですが、これ、うそじゃないです。マジです。
ギエムはそれが出来るダンサーなんですよ。
一昨年の公演で上演された『TWO』という演目。
ギエムが手を前に出し押す仕草をしただけで、一階席の後ろから二番目にいた私は、自分の胸を押されたような気がしました。
布団を押し付けられているような圧迫感で息が出来ない。苦しい。でも、目を離すことが出来ないんです。
この感覚は1号も感じたことがあります。
ギエムが踊りはじめると、客席が息を呑むのが分かります。
1号が初めてギエムの『ボレロ』を間近で観た時にも「我々は今なんて凄いものを観せられているんだ」と会場中が感じている空気を体感しました。バレエって凡庸なダンサーが踊っている時には咳払いが聞こえたりするものなのですが、これもほとんど無くなります。
映像アーカイプでは伝わりきらない“場の空気”を感じるためにも、1号は生で観ることを強くお勧めします。
シルヴィ・ギエム『エオンナガタ』/きみは劇場で“夢の世界を観たような感覚”に陥ったことがあるか?
https://contents-consultant.hatenablog.com/entry/20111118/1321594709
1号です。
<HOPE JAPAN TOUR>で来日中のシルヴィ・ギエムが『エオンナガタ』を日本初演するというので観てきました。
良いだろうとは思っていたものの、その想像を超えて素晴らしかった。
あなたは劇場で“夢の世界を観たような感覚”に陥ったことがありますか?
本公演はまさにそんな公演でした。
『エオンナガタ』
出演:シルヴィ・ギエム、ロベール・ルパージュ、ラッセル・マリファント
照明デザイン:マイケル・ハルズ
衣装デザイン:アレキサンダー・マックイーン
サウンド/デザイン:ジャン=セバスティアン・コテタイトルの『エオンナガタ』は、
【エオンの騎士】+【女形】
の造語だそうです。いずれも性別を飛び越えさまよう存在ですね。エオンの騎士ことシュヴァリエ・デオンはフランス革命前後に実在した人物です。彼(女)は生涯の前半は男性として、後半を女性として生きました。
『ヴェルサイユのばら』のオスカルや、冲方丁*1のメディアミックス作品『シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Éon〜』のモデルですね。このシュヴァリエ・デオンの人生を、体格も出自も性別も異なる3人の出演者が演じてゆきます。
舞台の中では男と女の境界だけでなく、国と国の境界、クラシックバレエとコンテンポラリーダンスの境界、演劇とダンスの境界、そして最終的に観客を現実と夢の狭間へ連れていってくれます。
■ココがすごかった1→照明デザイン!
照明デザインのマイケル・ハルズ。
彼が設計した光(白)と影(黒)に彩られた舞台づくりは本当に特筆に値します。先日レビューした『アンダーグラウンド』のような優れた撮影監督と美術監督を擁して撮影された“絵画的な映画”が持つ美しさを、生の舞台上に現出させていました。
特に序盤で3人揃って踊る殺陣のようなシークエンス、そして最後の鏡を使ったシークエンスが衝撃的に美しかった。
鏡のシークエンスは鏡の使い方も、あの浮遊感を出した演出も含めて素晴らしかった。なにげなく出てきた「鏡面」がやがて「境界」へ変質するあの瞬間、思わず尿意も引っ込みました。あのシーンだけでも入場料分の価値が十分あります。
あと衣装デザインも美しかった上に演出意図をうまく汲み取っていてすごいなあ、と思って調べたら超大物でした。。。
<参考:アレキサンダー・マックイーン - Wikipedia>
■ココがすごかった2→わかりやすさ!
本公演では、冒頭にセリフ(フランス語と英語ですが舞台脇にある電光掲示で日本語字幕が出ます)でシュヴァリエ・デオンの一生を語ってしまいます。本編内でもちょいちょいセリフが出てきます。
これにより、クラシックバレエにありがちな「筋を予習してないと何が起きてるか分からねー」状態にならずに済んでいます。
また、話の筋とテーマが冒頭に提示されることでコンテンポラリーダンスにありがちな「確かに踊りはキレイだけど意味はサッパリわからん」状態にもならずに済んでいます。
そもそもシュヴァリエ・デオンそのものが魅力的なストーリーであり設定なので、とても入り込みやすくダンス公演に慣れてない人が初めて観ても十分に楽しめるわかりやすさと芸術的な美しさを両立させています。
■ココがすごかった3→天才ダンサーのダンス!
出演者の1人、シルヴィ・ギエムは御年46歳にして未だに世界トップレベルに君臨する奇跡の天才ダンサーです。
1号に「人は踊りでここまで人の心を動かすことができるのだ」と教えてくれたのも彼女のダンスでした。
彼女自身が「ダンスのあるスペクタクル」と呼ぶ本公演も、凡庸なダンサーが踊っていたなら観客を魅了するものにはならなかったでしょう。
本作の中盤にある彼女のソロシークエンスは、前に観た時と変わらず息をのむ美しさを備えていました。
本当は「シルヴィ・ギエムまじ最高!」みたいな記事になる予定だったのですが、公演そのものが素晴らしすぎたのでこんな感じになりました。
ギエムについては稿を改めてまた書きます。
(追記)書きました。【シルヴィ・ギエムが「本当に一流なら素人が見ても凄いとわかる」と教えてくれた。】