「占い(魔術)が人間を幸せにしないなら意味がない」
魔術師×占星家×タロティストのトリンです。
今回のエントリーは、「占い×映画」カテゴリーで初めての単発記事です。
”ボクの好きな映画ベスト100”をご紹介してから、既に1年半が経過していますね・・・
└ 占い師トリンのフェイバリット映画ベスト100! 太陽がうお座に入ったのでぶっ込んじゃったモン♪
もっとBLOGも充実させていかなくては!
もっとアップする頻度も増やさなくては!
と思いつつ・・・
やっと、映画エントリーの第2弾をお送り差し上げます。
現在、ボクは”イギリス式の心理占星術”を学んでいます。
└ 光と闇を超えた先に…「W.シェイクスピア/リア王」「リズ・グリーン/占星学」と2017年の夏
実は、本日ご紹介する映画は・・・そのお師匠さまからご教授いただいたものなんですよ。
占星術的な観点、いやいや、占星術だけではなくタロットも含めた「シンボル=象徴」を理解する上でとても有意義な映画となっております。
それ以前に、とても面白い良作なんですけどね~♪
ウェールズの山/The Englishman Who Went Up a Hill But Came Down a Mountain
1995年 ミラ・マックス 英国
監督:クリストファー・マンガー 総指揮:サリー・ヒビン
脚本:クリストファー・マンガー 音楽:スティーヴン・エンデルマン
出演:ヒュー・グラント、タラ・フィッツジェラルド、コルム・ミーニイ
本作の邦題は「ウェールズの山」となっていますが、原題の - The Englishman Who Went Up a Hill But Came Down a Mountain - の方がボク個人としては素敵だと思います。
その直訳は、”丘に登り山を下りたイギリス人”。
こっちのが、同作をストレートかつ真に語ってくれてる言葉なんですけどね♪
以下、内容などネタバレが含まれますので、未見の方はご注意下さい
1917年のある日。
英国ウェールズ地方の小さな村に、2人のイングランド人が測量に訪れるシーンから映画がスタートします。
その前に・・・
「イギリス」って国についてのお勉強から参りましょっ♪
正式名称は”グレートブリテン及び北アイルランド連合王国”。
イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズの4国から成る連邦国家でございます。
その関係性を一番分かりやすい例として挙げると・・・オリンピック=イギリス1国としてまとまって出場しますが、サッカーワールドカップやラグビーワールドカップなんかは4ヵ国がそれぞれ独立して出場してるって件。
この辺りの微妙な匙(さじ)加減が、今回ご紹介する映画に大きく関係してます。
※記憶に新しい所では、2017年にスコットランド×スコットランド人がイギリスからの独立に向けた選挙(住民投票)を行いましたよね。
前提として、本作の監督であるウェールズ出身のクリストファー・マンガーは、下記ポイントを映画のバックボーンとしてハッキリ描いています。
・英国=イングランド×イングランド人に接収されたウェールズ×ウェールズ人という背景。
・1917年、第1次世界大戦でヨーロッパが揺れていた時代背景(徴兵など)。
脚本×映像にそれが含まれている=上記2点が大きな行動欲求へのトリガーとなって参ります。
つまり、「英国に接収され戦争に駆り出され傷つくウェールズ」に、「敵であり相容れないイングランド人がのこのこ入って来た」って構造を作っています。
それらを踏まえ・・・
測量の結果、ウェールズのとある村にあった神聖なる山=ウェールズの人々の大切で愛する山が、イングランド人の測量で山ではなく丘であると格下げ認定された!
そんなウェールズの人々にとっての青天の霹靂(へきれき)が、物語の対立原理(障害)を産むと同時に、ドラマを展開する原動力として機能し始めるのでございます。
ところで・・・
これって我々占星家が近年向き合った問題と似てませんか?
そう、冥王星が惑星から準惑星に格下げされた当時の世界中の占星家たちの心の叫びと同じですね。
タロットで云えば、No.16塔やNo.13死神のシンボリズム下に置かれたような事象です。
例えば・・・信じていた恋人や親友との関係が急に変わり、今まで通りの考え方や接し方では立ちいかなくなったって感じ。そんな時、あなたならどうしますか?
そうなんです。
そこに、人々の思い、思想が象徴=シンボルとして登場している!
閑話休題。
本作は、そんなイングランド人vsウェールズの村の人々のドラマ。
ヒュー様が演じるイングランド人の測量士と、ウェールズの村の女子との恋物語も勿論ございますが、何といっても村人たちの群集劇!その言動が素晴らしい!
実に淡々と描いているんですよ。その手法が逆に、物語のテーマを訴求してくるから監督であり脚本のクリストファー・マンガー(ウェールズ出身)のしてやったり顔が浮かびます(笑)
更に、スティーヴン・エンデルマンの音楽がそれに輪をかけて和ませてくれる!コルム・ミーニイも好演でして、主役のヒュー様を喰ってるかも!?ユーモラスな人間ドラマとしても成立しています。
また、風光明媚なウェールズの景色も素晴らしいですよ~♪
さて、途中はしょりますが物語は紆余曲折を経ながら進み、丘は見事に山として蘇ります。
そこに、神話学でポピュラーな事象である「王の帰還」を持って、神聖な山の誕生(復活)となります。同じく英国の劇作家シェイクスピアが描いた「リア王」にも王の帰還が見事に描かれています。グロスター伯とリアの違い・対比(コントラスト)が、王権や人の器を通じての神聖で高次なる世界へ昇華する事象をメタファーとして描いているんですね。
実は、それがウェールズの山の丘が山へと蘇る際の重要なキーワードにもなって参ります。
詳しくは映画をご覧頂ければ幸いです。
ラストはなかなかドラマティックで、神話学に触れた事のある方には納得のシンボリズムでございますよ。
まぁ、上記の王の帰還はメタファーとして埋め込まれるシンボリズムです。
対して、本作に描かれるウェールズの人々が望む「幸せになるための欲求」、思い、気持ち、行動こそがシンボリズムを学ぶ上でとても参考になるのでございます♪
あ!
別に、シンボリズムとか神話などに関係なく楽しめる映画ですので・・・
どうかリラックスして「ウェールズの山」をお楽しみ頂ければ幸いです。
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