我が家に滞在中の妹親子が一週間、実家に滞在することとなった。
夕方に両親が車で迎えに来た。
荷物の積み下ろし。
トイレットペーパーのことで一悶着がある。
両親と少し言葉を交わすけど、気まずいのとどう振る舞ったらよいのかわからず、親の顔を見られない。
キッチンで麦茶の準備をしていると
母が近づいてきてズボンのポケットに何かを無言でねじ込んだ。
「こっそりしまいなさい」
夫には内緒のお小遣いだ。
結婚後、今までにもこういうことは何度かあった。
帰宅準備中、夫と母が畑にいったときに
車の後部座席に乗っていた父がわたしの名前を呼びながら
手招きした。
財布の中からお金を取り出し、窓から手を伸ばして渡してきた。
「これで何かうまいものでもたべろ」
と、言った。
今まで父からお小遣いをもらったことはほとんどなかったので、びっくりした。
それだけ、わたしの今の状態を心配してくれているのだろう。
「明日でかけるから、そのとき何かおいしいものを食べてくるよ」
と、言うのがやっと。
口数の少ない父は「それがいい」と言って窓をしめた。
畑から戻った母が、車に来た。
その日初めてまじまじと見つめた母は、髪の毛の頭頂部が明るいグレーになっていた。
あんなに白髪、増えたんだ。
「また来週」
と、家族みんなでお見送り。
ズボンの右ポケットには母からのお金。
ズボンの左ポケットには父からのお金。
こっそりとトイレで金額を確認する。
右ポケットには、なぜかボロボロのティッシュで包まれた2万円が。
左ポケットにも2万円。
合計4万円もの大金を受け取った。
「病院に行きなさい」というメッセージなのか、「気晴らししなよ」の意味なのか。
でも、今は深く意味を考えたくはない。
日々のこと
