英語講師、通訳、翻訳者の門田直樹です。
英語学習を頑張っている方の中には、単語帳やフレーズ集をコツコツと覚えているのに、いざ話した時に相手に伝わらなかった、という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
実はこれ、珍しいことではないんですよね。
今回は「単語やフレーズを覚える時に気を付けてほしいこと」について書きたいと思います。
1. 難しい単語・専門用語は通じないことがある
まず知っておいてほしいのが、難しい単語はネイティブでも通じないことがあるという点です。
例えば、高所恐怖症を表す "acrophobia" という単語があります。
ところが『最新日米口語辞典』によると、この単語はネイティブスピーカーでも知らない人がいるため、"fear of heights" の方が無難だと記されています。
これは医学用語・学術用語に限った話ではありません。
日常会話でも、難しい語彙を使うことで「この人、何を言っているんだろう?」と相手を置いてけぼりにしてしまうことがあります。
特に医学・科学・法律などの専門分野の用語は、専門家同士の会話なら問題ないですが、一般的なコミュニケーションでは通じないリスクが高いです。
少なくとも私の経験でも、専門用語を日常会話で使った時に「え、何それ?」と聞き返されたことが何度かあります。(苦笑)
2. こなれたイディオムも要注意
もう一つ注意してほしいのが、英語のイディオム(慣用表現)です。
英語圏の文化的背景に基づいた表現は、たとえ正しい英語であっても、非ネイティブの人には伝わらないことが多いんですよね。
例を挙げると、"keep up with the Joneses"(周りに合わせて見栄を張る、という意味)というイディオムがあります。
私が以前この表現を使ったところ、相手の非ネイティブの方にまったく通じなかったことがありました。![]()
もちろん、英語圏の文化に精通しているネイティブの方なら問題なく伝わりますが、国際的なコミュニケーションの場では難しいイディオムは"伝わらない前提"で使う方が安全かもしれません。
3. 解決策:言い換え表現をセットで覚える
では、どうすれば良いのでしょうか?
私がお勧めしているのは、難しい表現と同時に、簡単な言い換え表現も一緒に覚えておくというやり方です。
例えば:
👉 "acrophobia" → "fear of heights"(高所が怖い)
👉 "keep up with the Joneses" → "try to match others / follow what others do"(周りに合わせる)
このように、難しい表現が通じなかった時のバックアップとして、シンプルな言い方を用意しておくと、会話がスムーズに続きます。
英語のハノンの著者の横山雅彦先生も「第2の矢(替わりの表現)」を持っておくことが重要だとおっしゃっています。
もう少し身近な例で言えば、"utilize"(活用する)より "use" の方が伝わりやすかったり、"commence"(開始する)より "start" の方が明快だったりします。
難しい単語を知っていること自体は悪くありません。
ただ、「伝わる」ことがコミュニケーションの本質ですので、シンプルな表現も同時に引き出しに入れておくことが大切だと感じています。
4. 理想は場面・相手によって使い分けること
もう一歩進んで言うと、理想は場面や相手によって使う単語・表現を使い分けられるようになることです。
これはなかなか難しい達成目標ではありますが、意識するだけでもコミュニケーションの質は変わってきます。
例えば:
- 専門家同士の会話:専門用語をそのまま使う方が正確で効率的
- ビジネスの場(非ネイティブ混在):平易な英語(Plain English)を意識する
- 日常的な雑談:文化的背景に依存するイディオムは控えめにする(ネイティブだけの会話は別)
どの場面でも「相手に伝わるか?」を少し意識するだけで、英語の使い方が変わってくるのではないでしょうか。
まとめ
- 難しい単語(専門用語・学術用語)は、相手に通じないことがある
- 文化背景に依存するイディオムは、非ネイティブに伝わらないことが多い
- 難しい表現と一緒に、簡単な言い換え表現もセットで覚えるのがお勧め
- 場面・相手によって表現を使い分けられると、コミュニケーションがスムーズになる
単語やフレーズを覚える時は、「これが通じなかった時、どう言い換えればいいか?」という視点を少し持ってみて下さいね。
最初は大変に感じるかもしれませんが、慣れてくると自然と「平易な言い換え」が思い浮かぶようになります。
一緒に頑張りましょう!!
ご意見、感想大歓迎です。
皆さんは覚えた表現が通じなかった経験はありますか?是非コメント欄で教えて下さい。


