本を買った。
何冊か買った。

普段私は、
ふらりと本屋に立ち寄り、
店内をくまなく見て回り、
いつもは手にしない本を手に取り、
中を見た瞬間心を動かす、
などということはしない。
本屋には、心に決めた本を買いに行くのだ。
先週足にケガをしてから、
なるべく安静にしようと、
自宅にこもることが多くなっている。
事務仕事がたまっているので、
それを片付けたりもしていた。
だが私は、
創造的なことが好きなのだ。
自分で何かを生み出すことが好きだ。
なのに自宅にこもっていては、
「発想が偏ってしまう」
などと感じていた。
自宅にこもっていると言いながら、
実は毎日、買い物には出ていた。
2018年3月29日の東京蒲田は、
満開の桜が散り始めている。
食料品やお酒を買いに行く道すがら、
お寺にある桜の木を見上げた。
大きな紙製の軽いバッグを手に提げ、
ワンピースにスニーカーに麦わら帽子を身に着けた私は、
テクテク道路を歩いて行く。
桜を見上げ、
排気ガスのまじった空気を吸い、
駅ビルの本屋に立ち寄り、
写真のような本を手に取る。
中を見た瞬間、
「ハッ」とか「ん」とか、
何かしら心が動いたものだけを買った。
今夜は白ワインにチーズをやりながら、
これらの本を適当に読み散らそうと思う。
おまけ。
レジで会計をする時、
合計金額が「5,555円」になった。
「おっ」と思った。
しかし店員は眉をピクリとも動かさなかったので、
そんなゾロ目はよくあることなのだろう。
だけど私にとっては珍しいことなので、
なんだかすごく得をした気分になった。