灰色の空から雨が降っていた。
ドロドロと溢れ出るマグマに触れては
音を立てて灰色の水煙が噴き出す。

勇敢なる者は、それをただじっと見ていた。


成し遂げたい事がある。
勇敢なる者には、それがあった。

しかし、
マグマに触れては一瞬で蒸発する雨に
ふと思いを巡らせていた。

これから成そうとしている事は、
この一滴の雨粒のようなものではないか?


はるか天空で体積を増した塊が
耐えきれなくなって雨となって降りそそいだ、
その末路は果たして、

マグマに触れて蒸発する事か
水煙に紛れて行方をくらます事か
それとも何かの恵みの水となる事か



勇敢なる者は、
神妙に雨粒の行方に思いを馳せた。

果たして己の成し遂げたい思いとは、
何をもたらすのか。

それは己に。
それは世界に。


降りしきる雨は、
勇敢なる者の思考を冷静に受け止めた。


勇敢なる者は、
精悍な眼差しで噴き上がる水煙を見つめた。

赤いマグマは水煙を上げ続ける。



願わくは、この荒々しくも冷静な魂が
己と皆の幸せに辿り着かんことを。