この数か月の時間の中で、本当にたくさんのものが壊れていき、
多くのものを失い無くしてきた最後に残ったのが、たったひとつ……
自分自身だけだった
それも、経歴や職というすべての飾りを無くした自分自身のみ
それが、こんなちっぽけで儚いなんて思いもしなかった
でも、これが目の前の現実飾りが無くなって分かったことがある
それは、私自身がこれまで いかに自分の外側ばかりに
フォーカスして生きていたのかということだった


自分の中に欠落を見つける度に、自分がフォーカスして
見ている外側から何かを掴んでは、それを自身の中に埋め込みことで
満たそうとしていた
だから、いつも自分の外に出ては、自分のかけているところと同じものを
探し続け、見つける度に自分に埋め込むの繰り返し
しかし何度と埋め込んでみても、所詮は他である為に違和感が生じて、
多かれ少なかれ発生したズレを感じ、その不一致感は日増しに大きくなって
新たな傷となり、また穴が開くすると、今度は別のもので埋めようと、
これまた自分の外側に出ては、埋めれる何かを探し、また同じことの繰り返し


本当は、他によって埋めたものは異物でしかないことを知りながら
自分で自分に、あたかも己の一部なんだと暗示をかけて無理矢理に
納得させようとし、それでも異物感を感じるとは、その恐怖から他に向かって
『 そうじゃないよね?』と、強制的とも言える共感を求めて安心感を
手に入れようとしたり、『 そうだよ 』とか『 大丈夫だよ 』という承認を
得ることで偽りの上辺の安心感に浸ろうと試行錯誤する
本来、自分自身でも異物だと分かっているものを、そうじゃないと思い込む
ことの方が無理がありすぎるし、違うという真実を自分が知って
いるのだから、他人の承認でもなければ自分が自分に対して持っている
疑心を一時でも拭える訳がない。


自分の選択で自分に埋めたものが異物であるという恐怖から目を
反らす為に承認を求めるのだから、その承認がなされなければその事実を
否応なく直視するはめになるので、否定されればその源にあった恐怖は、
攻撃に変貌するしかなくなるのだ
何とか承認してよ!じゃないと、見なきゃならなくなるじゃない!
触れちゃうじゃない!痛みを感じちゃうでしょ!それが嫌なの!
ただ、それだけだった  
それが、当時の私の本当の姿だった


そんなに嫌なら、初めから異物で満たさなけりゃいいのに……
そんなに抵抗するなら、本物である自分自身で自分を満たせば
良かったのに……
簡単なことだったのに……
でも、あの当時の私は、たくさんの経歴という飾りを身に纏いそれによって
たくさんの戦略や上辺のスキルを携えてそれらで外側から持ってくる術を
身につけていた
自分で自分を満たすなら、満たせる自分を持たなくてはならない
でも、この飾りと戦力やスキルがあれば、いとも簡単に手に他から
奪ってでも手に入れることが出来き、その楽さにずっと すっと ずーっと
溺れていたのだ
自分で創りだす労力を惜しみ、奪う楽に溺れ続け、その楽で埋まるのは
異物でしかないことを知りながら……
そのジレンマを捻じ曲げる為に承認を必要とし、それが間違いではないと
いうことを掲げる為に賞讃を追い求めてきた
そのすべては偽りでしかないことを知りながらも、それら承認と賞讃の
束の間の快楽に身を委ね、その快楽の代償に自分を明け渡すという
暗闇の底 深くに自ら堕ちつづけていたのだ


そして、堕ち続ける中で問答無用にそれまで私が纏ってきた全ての飾り達は
剥がされていき、もういかなる理由であれ飾りを無くした私は、
承認を得る術も賞讃を創りだすことも不可能になったのだ
その現実は、恐くて怖くて仕方なかった。
だって、その生き方しか知らなかったし、したことがなかったからだ。
すべての生きる術をもぎ取られたようなもので、自動的に屍になった


その堕ちきった底の中で過ごすしかなかった時間の中で、
やっと見つけたたったひとつのこと……
それは、もう絶対に自分のハートに嘘をつかない!ということだった
このすべては、本当は異物だということを知りながらも、その事実を知っている
自分を偽るという、たった一つの嘘から始まっていったことに、
ようやく気づいたからだ




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