私は、強い言葉を向けられると
フリーズしてしまう。
その日は、ちょっとした
コミュニケーションの行き違いだった。
私はきちんと説明したつもりだったし、
実際に、他で聞いていた人は
理解してくれていた。
でも、ある一人の人が「違うじゃん!」
と強い調子で言った瞬間、
頭の中が真っ白になった。
言い返すことも、
説明し直すこともできなかった。
ちゃんと伝えたはずなのに。
間違っていないはずなのに。
でも体は固まり、言葉は出てこない。
私はそこで、
「ここでこれ以上話しても仕方ない」
と諦め、
業務を進めることに意識を向けた。
ちょうど上がりの時間でもあったので、
そのまま退勤した。
そのときの本音はひとつ。
悪者になりたくない。
それだけだった。
これは自然な感情。
でも、胸の奥にはもやもやが残ったまま。
後日、上の人に相談して、
状況を整理してもらった。
結果は
「大ごとにはなっていない」
「怒っている人もいない」
「丸く収まっている」とのこと。
さらに、話し方のアドバイスももらった。
「次に生かせばいいよ」と。
それを聞いて、ほっとした。
けれど、
その間ずっと私は何をしていたかというと——
反省している“つもり”で、
できていなかった自分を責める材料を集めて、
自分を裁いていた。
誰も怒っていない。
誰も責めていない。
それなのに、私だけが私を責め続けていた。
そして今度は、
「上の人に相談したこと、言いつけたって思われてないかな」
「自分の弁解をしてる人だと思われてないかな」
そんな不安が、
また頭の中でリピート再生される。
きっと私は、
“間違うこと”よりも、
“嫌われること”のほうが怖いのだと思う。
強い言葉が怖いのも、
悪者になりたくないのも、
きっと全部そこにつながっている。
でも本当は、
私はただ、ちゃんと伝えたかっただけなんだ。
そして、ちゃんと仕事をしたかっただけなんだ。
フリーズしてしまった自分も、
もやもやしている自分も、
ぐるぐる考えてしまう自分も、
それだけ一生懸命だった証拠なのかもしれない。
次はきっと、
ほんの少しだけ、深呼吸してから言える。
「私はこう伝えたつもりでした」と。
その一歩でいい。
私は、悪者じゃない。
