この船は、長女が生まれた時に買った船。
とーちゃんが、家業を継いで、私の2度の流産を乗り越え、無事にスクスクとお腹の中で育った子が産まれる時期にちょうど出来上がったという船。義父母の名前の一部と、とーちゃんの名前の一部をとった船名になってる。
船祝いと、出産祝いを一緒に皆んなで祝った船。大事に大事にしてきた船。
そんな相棒を買ってくれる人がいた。
何と隣の船のとーちゃんの同級生だ。
亡くなった親友Mちゃんの旦那様だ。
本当の事を言うと、私達の見えない所に売れると良かったと思ってる。
やっぱりね、違う人に渡ってしまうと その次に買った人仕様になってね。なんか寂しいのね。
それよりも私が嫌な理由は、その友達はMちゃんが亡くなってすぐにもう次の彼女(旦那様がいる人)をつくっちゃって。その彼女は男の人を見ると甘〜い声を出して手を振るような人。とーちゃんも餌食となったが無視したところ、声かけてもらわなくなった笑笑。別にいいんだけど、いいんだけどね。
いやー、その女の人が乗るのかーってね。
最初は私はその友達に売るのはそんな感情で反対だった。でも、このまま売れ残って、反対にお金を出して船を壊すとなると莫大なお金がかかる。そして、何よりも、とーちゃんがその友達に売る、渡す!と言った。じゃあしょうがない。しょうがない…
私に、用事がなければ岸壁に行くな、船を見に行くな、もう自分達の船じゃないんだからと。
頼むから、とーちゃんの船(今はもう私達の船ではないのに)の上でキャッキャとはしゃがないで〜
それでも、こっそり 岸壁に船を見に行ったら、もう色々と装備をつけて、パッと見はとーちゃんの船だけど、やっぱ少し違うんだ。
だから、他の地方に行ってくれれば諦めがついたのに。
あーあ、複雑な気分。
でも、もう私達の船じゃない。
諦めよう、どうにもならないんだから。
買い手がついただけで充分じゃないか!
大事に乗ってくれよ!