4人部屋に入ってる。壁際の親父が、看護師に、作業療法士に色々とクレームをつける。親父は「最初の話と違ってきてる」ことに対する説明が欲しいのだが、部屋に来るスタッフは、自分の意見を封じられているので答えられない。
「それは先生でないと答えられません」
親父の気持ちは分かる、不安なのだ。
私は「一過性虚血発作」から「脳梗塞」に昇格した。入院は延長された。
今日は雨になった。風も強まった。
廊下で水田を眺めていると、その親父がやって来た。
「私は頭蓋を外して、動脈瘤をとったのですよ」と言って、フランケンシュタインになっている頭を見せた。
私は恐れた。
自分の目の前に迫っている現実を感じ、恐れた。
