あの夏、サイドミラーの向こう側 | 京都占いサロンasile 〜アジール〜 らんたん

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花火の思い出教えて!

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ちょうど先日

マンションの駐車場で

花火をしているご家族を見かけました。


小さなお子さんたちと囲む

手持ち花火。


「次、これやるー?」なんて声が聞こえてきそうな

和気あいあいとした空気。


通りすがりだったのに

なんだか、こちらまで

ほっこりした気持ちにさせてもらいました。


そして

私自身の花火の思い出。


話そうか、話すまいか。


特にオチがあるわけでもない

ただ、今でも時々思い出す

ひと夏の景色。



私が最後に

大きな打ち上げ花火を見たのは、3年前。


それは、偶然でした。


あの頃の私は

毎週、父の入院先へ通っていて

片道320キロの道を走っていました。



沈む夕陽を追いかけながら走っていたはずなのに

気づけば

背中に夕陽を浴びながら

京都へ向かっている。



窓の外を流れていく景色。

赤く染まる空。


いつもなら

ひとりカラオケ大会みたいなドライブなのに

その日は、不思議なくらい静かで。



気づけば

“ 沈黙のドライバー ”になっていました。


頭の中に浮かぶのは

答えのないことばかり。


「いつまで続くんだろう」


「いつか、この道を走り続けた日々も

思い出になるのかな」


「あの時の私は

どんな気持ちで振り返るんだろう」


何度も、この道で

ひとり涙を流しました。


でも、ふと我に返るんです。



いや待てよ

運転しながら泣いてる姿って

客観的に見たら

かなり怪しい人じゃないか?って(笑)


どうにか気持ちを切り替えようとしていた、その時。


山の向こう側で

何かが、ちらりと光った。


でも、山々の隙間からしか見えないから

何なのか、よく分からない。


そのまま車を走らせて

ふと、サイドミラーを見た瞬間。


そこには


菊。

冠。

万華鏡のように広がる

大きな打ち上げ花火。


私の背中側で

大輪の花火が

夜空いっぱいに咲いていました。


たぶん、淡路の花火大会。

洲本で打ち上げられていた花火だったのでしょう。


あの夏のことを思い出す時。

なぜか一緒に浮かぶのは


前ではなく

“ 背中側 ”で咲いていた花火なんです。


あの瞬間は

美しい夜空に舞う花火が

どこか虚しくもあって。



けれど同時に

胸の奥を、静かに打つ何かもありました。



綺麗だなぁ、だけでは終わらない。



苦しさや、疲れや、不安や、祈るような気持ち。



いろんな感情が混ざり合ったまま

私は、あの花火を見ていた気がします。



この感情を

今でも上手く言葉にはできません。



でも、ふとした瞬間に思い出すんです。



あの夏。



夕暮れの高速道路。



沈黙の車内。




そして、背中側で咲いていた花火。



たぶん私は、あの日

“ 忘れられない景色 ”というものを

静かに受け取っていたのだと思います。