お医者さんは言いづらそうにしていました。
医「どの妊婦さんにも流産の可能性はあります。妊娠初期の流産は6〜7人に1人です。決して低い確率ではありません。」
私が知りたかったのは、そんな話じゃありませんでした。
統計でも確率でもなくて。
私のお腹にいる赤ちゃんがどうなのか。
それだけでした。
私「でも、小さいということは、その可能性は高いということですか?」
勇気を出して聞くと、先生は少し間を置いてから答えました。
医「まだ心拍も確認できない時期なので何とも言えませんが、その可能性は高いと思います。」
やっぱり。
そう思いました。
どこかで覚悟していた言葉だったのに、実際に聞くと苦しくて。
胸の奥がさらに痛くなりました。
私「そうですか。分かりました。ありがとうございます。」
そう言って頭を下げた瞬間、涙がこぼれて頭を上げることができませんでした。
人前で泣くことなんてないのに。
ここへ来るまでわくわくして、居ても立っても居られなくて、急いで来ました。
お腹の赤ちゃんを早く見たくて。
大丈夫かもしれない。
でもダメかもしれない。
そんな気持ちをずっと繰り返していました。
一人で抱え込んでいた気持ちが、先生の言葉で一気に溢れました。
医「大丈夫ですか?ティッシュありますよ。」
私「大丈夫です。すみません。大丈夫です。」
そう答えましたが、本当は全然大丈夫じゃありませんでした。
先生は優しく、
「赤ちゃんのこと心配ですよね。厳しい話をしてしまってごめんね。でも、あくまで可能性の話だからね。」
と言ってくれました。
その優しさが逆につらくて。
頷くことしかできませんでした。
診察室を出てから、しばらく動けませんでした。
ただ、お腹をさすりながら…
ごめんね。
ごめんね。
ごめんなさい。
そんな言葉を繰り返し心の中で呟いていました。
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