「好きなことは何ですか?」
そう聞かれて、すぐに答えられますか。
若い頃は、もっと簡単に答えられた気がします。
好きな服。
好きな音楽。
行ってみたい場所。
食べたいもの。
会いたい人。
やってみたいこと。
でも、いつの間にか、
そういうものがすぐに出てこなくなっている。
50代女性と話していると、
そんな声を聞くことがあります。
「何が好きなのか、よくわからないんです」
「やりたいことと言われても、思いつかなくて」
「別に、これといってないんですよね」
でも私は、それを
感性が鈍ったからだとは思っていません。
たぶん、長い間、
自分の望みを後回しにしてきただけ。
仕事では、求められる役割を優先する。
家庭では、家族の予定を優先する。
職場では、空気を読む。
周りに迷惑をかけないようにする。
ちゃんとしている自分でいる。
そんな毎日を長く続けていると、
自分の「好き」や「やりたい」は、
だんだん小さな声になっていきます。
本当は、ないわけじゃない。
ただ、聞こえにくくなっているだけ。
「今日は何を食べたい?」と聞かれても、
「何でもいいよ」と言う。
「どこに行きたい?」と聞かれても、
「みんなに合わせるよ」と言う。
「どんな服が好き?」と聞かれても、
「もう無難でいいかな」と思う。
そうやって少しずつ、
自分の望みを後ろに下げることに慣れてしまう。
でも、それは悪いことではありません。
それだけ、周りを大切にしてきたということ。
責任を果たしてきたということ。
誰かのために頑張ってきたということ。
ただ、これからは少しずつ、
自分にも聞いてあげていいと思うのです。
「私は、本当はどうしたい?」
「私は、何を選ぶと少し嬉しい?」
「私は、どんな自分でいたい?」
いきなり大きな夢を見つけなくてもいい。
まずは、今日のお茶を選ぶ。
いつもより好きな色の服を着る。
少し気分が上がるリップを塗る。
行ってみたかったカフェに入ってみる。
読みたかった本を買ってみる。
そんな小さなことで十分です。
好きなことは、
頭で一生懸命考えて見つけるものではなく、
日々の小さな選択の中で、
少しずつ戻ってくるもの。
50代からでも遅くない。
感性が鈍ったのではなく、
少し眠っていただけ。
自分の望みに、
もう一度耳をすませてみる。
そこから、
これからの人生は少しずつ
変わっていくと思います。
あなたは最近、
「これ、ちょっと好きかも」
と思ったものがありますか。

