銭婆とカオナシ 第4話 | 神様達と共に

神様達と共に

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(過去のお話しのリンクはこちら⇒「第1話」「第2話」「第3話」)

 

 

 

 

 

 

安良見命「”あの時”・・・。

 

今から40年ほど前のことでしょうか・・・。

 

 

 

 

 

私が最初にやって来た頃から比べると、村の大きな道は固く舗装され、景色もいくらか変わっていましたが・・・。

 

それでも、人々の心根や生活リズムは昔とあまり変わっていませんでした。

 

 

ただ・・・。

 

その頃、私はなぜか不穏な気配を感じていたのです。

 

しかし、それが何なのかはわからなかった・・・。

 

私の目から見て、特に大きな問題はなかったのです。

 

 

そんなある日・・・。

 

なぜか村人達は一斉に村からいなくなります・・・。

 

そしてすぐに・・・。

 

今度は大勢の大人達と、大きな機械が何台もやって来ました。

 

その機械が、次々に村人達の家を壊しはじめたのです。

 

 

 

 

 

私は・・・なにが起こっているかもわからずに・・・。

 

ただ唖然として全てを見つめることしか出来ませんでした・・・。

 

 

 

 

数ヶ月後・・・。

 

巨大な水瓶が出来た時に・・・。

 

私はなにが起こったのかをやっと理解することが出来ました・・・。

 

 

 

 

”ダム”と呼ばれる巨大な水瓶・・・。

 

この村から遠く離れた、中央のエリート達が考えた・・・大きな計画でした・・・。

 

 

当然・・・そのことについて、私が善悪をつけることはできません・・・。

 

しかし、私が守り続けてきたこの土地はあっという間に消え去り・・・、村人達のあたたかい絆も皆、バラバラになってしまったのです・・・。

 

 

私は非常に意気消沈しましたが・・・。

 

唯一幸いだったのは、私の小さな社だけは取り壊されずに、森の中へ移転されていたことでした・・・。

 

 

 

 

 

この社があれば、おそらく・・・また村人達がここを訪れてくれる・・・。

 

そしてそれをきっかけに、せめて村人達の心にあたたかい絆を、再び紡いであげることが出来るかもしれない。

 

私はそんなわずかな希望を持ち、今しばらくはその場所に留まることにしました。

 

 

しかし、そこは日当たりが悪く・・・。

 

当然、もう人間は誰も手入れをしてくれません・・・。

 

 

すると次第に・・・。

 

その場所の気が滞るようになり・・・。

 

 

しかも・・・悪いことに・・・。

 

村を破壊した人間達が引き連れてきた邪神達が社に目をつけ・・・。

 

自分たちのたまり場として活用する様になったのです・・・。

 

 

 

 

 

私は、すぐに身を隠して難を逃れましたが・・・。

 

集まった邪神達の力の強さに驚きました・・・。

 

これほどの強い邪気・・・、かつての時代では、ごく限られた権力者にとりつく程度だったのです・・・。

 

 

 

 

彼らは、私がかつて説得した疫病神や邪神達よりもずっと禍々しい存在で・・・、すでに話しが通じる状態ではありませんでした・・・。

 

自分たちが愛を見失っていることはもちろん、愛が実在することすら・・・完全に忘却してしまっている様に感じられました・・・。

 

 

それ故、もし彼らが、輝く愛を発している私を見つけたのならば・・・すぐに激しく攻撃したくなることでしょう・・・。

 

彼らにとってもはや愛とは全てキレイ事であり・・・完全に否定されるべきものだからです・・・。

 

 

そして、おそらく・・・今の私の力では、彼らの強い邪気に立ち向かうことは出来ず、一度捕まったら無茶苦茶にされてしまう・・・。

 

もしそうなれば・・・私の魂は激しく傷つけられ・・・私自身も邪神となってしまうかもしれない・・・。

 

 

それで、私は非常に悩みました・・・。

 

 

この状況でも、まだここに留まるべきか・・・。

 

それとも・・・もう神界に帰るべきか・・・。

 

 

 

 

 

しかし・・・。

 

私は、あの時・・・約束したのです・・・。

 

あの少女と・・・村人達と・・・。

 

 

 

 

やはり・・・。

 

彼らが、なけなしのお金を集めて作ってくれた社を、私は簡単に捨てることは出来ない・・・。

 

 

せめて、この社に村人達の子孫が訪れてくれるのを待ち・・・。

 

彼らの心に最後の奉仕・・・あたたかい絆を届けてから・・・。

 

それから立ち去りたいと、そう思いました。

 

 

しかし、邪神達の力は強く、この光り輝く体のまま、ここに留まるのは非常に危険でした・・・。

 

いざとなれば、一時的に彼らの力を弱め、愛の力を人に届けることも出来ますが・・・。

 

それは最後の力としてとっておきたい・・・。

 

 

そこで私は、一つの方法を思いついたのです・・・。

 

 

 

 

 

そう・・・。

 

自らの封印術を組み込んだ面を作り・・・。

 

それを被ることで愛の輝きを抑え・・・邪神のフリをし続ける・・・という方法でした・・・。」

 

 

 

(つづく)

 

 

次のお話しはこちら⇒「第5話