蟹座の満月「いちばん底を流れる豊かさを堪能する」 | 占星術家しゅんじ「宙の色(そらのいろ)」

占星術家しゅんじ「宙の色(そらのいろ)」

「宙」という文字には「永遠の時間」という意味があります。
時は無色透明ではなく、無限の彩りに満ちた物語のような連なりです。
西洋占星術を通して、時に込められたメッセージを読み解きます。

あけましておめでとうございます。
2015年1月5日 13:53に蟹座で満月です。



●前回の新月のおさらい
満月は、新月でスタートした約28日サイクルの折り返し地点です。
新月から走り出したテーマが
感情の高まりと共になんらかの形で実現します。
周囲の反応や、結果が返ってきます。
同時にそれまでの集中が解かれ、
状況を客観的に見渡して
次の新月に向けて軌道修正するタイミングです。

前回の新月は昨年の12/22(冬至の日)に
山羊座の1度で起こりました。

約2年取り組んできたテーマの修了証を受け取り、

かつての自分自身へ「さよなら宣言」をして
心理的、社会的な自立の始まり。
自らの強い意志で役割を担い取り組む活動は、
個人のキャリアだけでなく
社会に対しても新鮮なインパクトを与えていく。
という新月でした。




●この満月を簡単にまとめると
家族、親しい友人、安全に守られた家族的な仲間の輪などの
自分の「帰る場所」で
ありのままの感情をさらけ出し、
たっぷり食べて、寝て、話して、遊んで、
好き放題リラックスすることで
心のいちばん底を流れる力、安心感がチャージされる。
そして、計画に生命力が宿って本格的に動き始める。
帰るその場所は、旅をするそもそもの動機であり、
成果を持ち帰るための拠り所。
けれどもそこに愛着はなく、安住せず、
どうしてもやらなければならないことのために、
再び出発してゆく、という満月です。




●蟹座15度の満月
蟹座は月にとって居心地のよい本来の場所なので、
その持ち味が最大限に発揮されます。

【水(感情)】のサインなので、
それが溢れるように豊かに膨らみます。
家族、親しい友人、安全に守られた家族的な仲間の輪の中で
ありのままの感情をさらけ出し、共感しあいたい。

なおかつ「15度」という場所は
各サインにおける「力のピークと押し付け力」を表します。


「さまざまな要求を通すことにおいて大胆です。
 悪く言えば、恥も外聞もなく追求する姿勢となるでしょう。
 リミッターが外れた状態」
 松村潔著『ディグリー占星術』より


お正月のどんちゃん騒ぎの光景が浮かびます。
帰省して、家族や親戚、心を許せる古い友人に再会して
オフレコの本音や、積もる話を夜遅くまでする。
美味しいものをたくさん食べて、寝て、遊んで
ちょっと行き過ぎるくらいに、好き放題リラックスしてみる。

「原点に還る、ルーツを辿る」というテーマも蟹座にはあります。
そうして心のいちばん底を流れるエネルギーを
内側から満タンにする時です。

新月からの流れを考えると、
これは是非とも必要なことだと思います。
新月では、かなりストイックに「結果」が意識され
そのために担うべき役割や活動が打ち出しました。

そのフォーマルな「外枠」の中に
温かくやわらかな感情が流し込まれることで、
血の通った、自然でいきいきとした生命力が宿ってゆく
という感じがします。




●月、太陽、冥王星、天王星のT字スクエア
これはなかなかパワフルで衝撃度の高い配置です。
冥王星・天王星は「旧社会の枠組みの解体と再構築」を表します。
ここに、満月がダイレクトに絡んでいます。
既存のルールや常識を踏み越えてでも、
どうしても訴えなければならない
やらなくてはならないことがあるのだと思います。
それは頭で考えてしているのではなく
感情や生存本能に突き動かされているために、強力です。

しかしまだ時期が早すぎて、
不発のハッタリのように感じるかもしれませんが、
満月の配置をつくる山羊座と蟹座は共に「集団性」を表します。

その鮮烈なインパクトは
決して一個人の出来事に留まらず、
時間差でじわじわと周囲の人たちへ波及してゆくと思います。




●土星が水星・金星と60度、海王星と90度
12/24に土星が射手座に入りました。
これは約2年取り組んでいく課題、象徴的な旅を表します。
遠い理想の地を目指して、一歩一歩進んでいく
孤独な自分との戦いです。
そこに水瓶座の水星、金星が間接支援の60度を作るので
未来へ導く道標となる情報や、仲間のつながりができ、
視界がひらけてくるのではないかと思います。
過去を振り切って、壁を突破して未来へ!
という推進力も生まれてきます。

土星と海王星の90度は、矛盾に満ちた配置です。
これは4月末までつづきます。
土星は目に見える確実性と持続力。
海王星は目に見えないビジョンや想像力。

海王星はときどき、土星を思いっきり脇道にそらします。
真面目な努力の合間をぬって、
妄想が膨らんであらぬ方向へ脱線したり、
突然やる気が抜けてボーっとしてしまうかもしれません。
ですが、その無意味に思える時間に、
ワープゾーンを探し出せる可能性があります。

根性でゴリゴリ抑えこんでも、うまくいきません。
「願えば叶う~」だけでもダメです。
現実と非現実のリズムを意識しながら柔軟に切り替えて、
両方の車輪を回していけるのがベストだと思います。




●まとめると・・・
この満月前後で貴方が訪れたのは、
原点となる土地や人の輪や「家」となる場所であり、
これからも時々訪れるに違いない心の拠り所です。

遠くへ旅ができるのは、
帰る場所があるからです。
貴方の旅の成果と成長を心待ちにしている人がいるから
そんなにも大変で、時間のかかることだって、
やったことが一度もなくたって、
絶対にやってみせる!と約束できるのだと思います。




貴方は開拓者であり、冒険者です。
美味しい食事と、たっぷりの休息を取ったら
またすぐに出発してゆきます。
貴方は、その場所にこれっぽっちも執着していません。
確かに居心地はよいけれど、
今はここに安住するつもりはない。
未来を創る価値あるものは、ここにはない。
そう悟ってしまっているのだと思います。
そのぬるさと閉塞感に、
怒りさえ感じているかもしれません。


しかし、その様子を陰で見守るたくさんの人たちの存在は、
貴方がいちばん辛く厳しい時にこそ
底から優しく包み込み、守り、満たす大きな力になります。
そのことを頭の片隅に覚えておくために、
普段はあまり意識していない
足元の豊かさを思い切り贅沢に堪能する満月です。