女優・広末涼子さんの事故の報道が続きますね。広末さんが、ファンクラブ内で「複数の薬を服用していた」と告白したことで、ネット上ではその影響に注目が集まっています。

一部では、事故前に奇行があったことから、「精神的に不安定なのでは?」という声も聞かれますが、薬剤師の立場から見ると、薬の影響があると感じます。


「薬の副作用と飲み合わせによるリスク」が、この出来事の背景に潜んでいる可能性があります。


咳止め・点鼻薬・抗生物質…一見身近な薬でも油断は禁物です。


広末さんが服用していたとされるのは、咳止め薬、花粉症の点鼻薬、抗生物質など。いずれも特別な薬ではなく、風邪やアレルギー症状で一般的に処方されるものばかりです。


しかし、これらの薬にはそれぞれ次のような副作用が知られています。


◾️咳止め薬(中枢性鎮咳薬)

脳の咳中枢に働きかけて咳を抑えるタイプの薬は、眠気や倦怠感、注意力の低下を招くことがあります。自動車の運転や機械操作を避けるべき薬です。


◾️花粉症の薬(抗アレルギー薬・点鼻薬)

抗ヒスタミン薬は特に眠気が出やすく、点鼻薬に含まれる血管収縮剤は、頭痛や動悸、ふらつきを起こすこともあります。


◾️抗生物質

抗生物質の種類によっては、代謝酵素に影響を与え、他の薬の作用を強めたり、副作用を悪化させたりすることがあります。ロキソニンなどの解熱鎮痛剤と併用することで痙攣を起こすリスクが高まる抗生物質も存在します。


多剤併用による“せん妄”のリスクも怖いですね。

特に今回、注目したいのは「薬剤性せん妄」という状態です。


せん妄とは、一時的に意識が混乱し、普段の自分では考えられないような行動をとってしまう状態。


代表的な症状には、

・時間や場所がわからなくなる

・幻覚や妄想

・感情が不安定になる

・意味不明な言動や行動


などがあり、高齢者に多いと思われがちですが、薬剤が原因であれば若い人でも起こり得ます。


今回のように、咳止め薬・抗アレルギー薬・ステロイド点鼻薬・抗生物質を同時に服用していた場合、眠気や注意力低下、ふらつきといった副作用が重なり、結果的にせん妄様の状態が出現しても不思議ではありません。





「風邪薬くらい」と油断せず、薬の影響に敏感になることが大切


体調を崩しているときは、そもそも身体のバランスが崩れやすい状態です。そこに複数の薬が重なれば、副作用が強く出たり、普段とは違う行動や判断をしてしまうことがあっても不思議ではありません。


芸能人のような多忙な方に限らず、私たち一般の生活の中でも十分起こり得ることです。


・最近、何となくぼんやりする

・注意力が落ちている気がする

・いつもの自分らしくない


そんな時は、決して「気のせい」で片付けず、薬剤師や医師に相談してみることをおすすめします。

薬は正しく使えば心強い味方ですが、時に思わぬ落とし穴となることもあります。

体調不良時こそ、薬の影響に少し敏感になっておくこと。それが、ご自身の安全と健康を守ることにつながります。



今回の広末涼子さんの件も、心身ともに非常にお疲れの状況で、体調不良や薬の影響が重なってしまったのかもしれません。

どうか無理をなさらず、ゆっくりと休養をとりながら、また元気な姿を見せてくださることを心から願っています。



そして、広末さんの家族のことも配慮し、報道が加熱しないことを願います。