真魚と紅牙と後鬼と前鬼。
四人の話は夜遅くまで続いた。
嵐は聞いていたのかいないのか…
その側で寝ていた。
次の朝、陽が昇る前に紅牙は出かけた。
そのあとすぐに前鬼と後鬼が続いた。
「おい真魚!」
「奴等はどこに行ったのだ…」
「聞いていなかったのか?」
真魚が嵐を見て呆れている。
「始まりの島だ…」
「俺達もすぐに後を追う…」
「その前に…片付けねばならぬ事がある…」
真魚が嵐にその事を告げる。
「昨日、壱与が言っていたことだな…」
「そう言えばこの前、綾人が持って来たものは何だ…」
「いい匂いがしておったではないか?」
嵐の鼻だけは間違いが無い。
「ちゃんととってある…」
真魚が笑っている。
「その朱い瓢箪の中か…」
嵐がため息をついた。
なぜなら…
過去に一度だけ試した事がある。
何でも入る朱い瓢箪…
嵐の手足では、瓢箪の栓を抜けないからである。
「行けばご馳走が出るぞ…」
真魚がそう言って笑みを浮かべる。
「おお!そうであった!」
「おい真魚!今日であったな!」
ご馳走と聞いて、嵐はじっとしてられない。
「慌てるな…壱与が誘いに来る…」
陽が昇ってから…
それは分かっている。
しかし、嵐はそれまで待てない。
ぐうううう~っ!
嵐のお腹が鳴った。
「も~たまらん!」
嵐が転げ回る。
「仕方ない…」
真魚があきれ顔で、瓢箪の蓋を取った。
「これで我慢しておけ…」
囲炉裏の火を起こして、焼き始めた。
「ん~たまらん!」
いい匂いが漂ってきた。
「焼けたぞ…」
真魚が嵐の前に差し出す。
「何だこれは、米の塊みたいだが…」
「これは、餅だ…」
真魚が嵐に説明する。
ふはっふはっ!
「ほれはうはい!」
「食べるか喋るかどっちかにしたら!」
「ほんとに、食いしん坊なんだから…」
壱与が呆れながら…
その様子を覗いていた。
次回へ続く…

