珍しい組み合わせであった。
前鬼と後鬼、その後ろに紅牙が歩いている。
「紅牙、お主も人が悪いのう…」
後鬼が紅牙を責めている。
「お主らが動いているのだ、俺が出しゃばることもなかろう…」
紅牙が言い訳をしている。
「それに、なによりも老師様に報告するのが先だ…」
「結果的には俺一人で動くより、多くの事がわかったではないか…」
紅牙がそう言って笑っている。
「お主は本当に策士じゃのう…」
後鬼がそう言って笑みを浮かべる。
「隅に置けぬ奴が、もう一人いるではないか…」
「奴の事だ、もう大方のことは掴んだに違いない…」
紅牙が晴れた空を見ている。
「紅牙は四鬼一族の長を知っておるのか…」
前鬼が紅牙に聞く。
「知っていると言えば、知っている…」
「知らぬと言えば、知らぬ…」
紅牙が曖昧な答え方をした。
「お主は、うちらをからかっておるのか…」
後鬼が振り返って紅牙を見る。
「からかってはおらぬ…」
「俺も本当に知らぬ男だ…」
紅牙は嘘をついてはいない。
後鬼にはそれがわかる。
「護摩を焚いていた男がそうだとすると…」
前鬼が口を挟んだ。
「少し妙な話かも知れぬ…」
前鬼にはそれが引っ掛かっていた。
「爺さん、それはどういうことだ…」
後鬼が前鬼に問う。
「
前鬼が後鬼に問う。
「顔は見ておらぬが…」
「若い男のような気がしたのう…」
後鬼が答える。
「それが、おかしいとは思わぬか?」
「一族の長は普通はそうではない…」
後鬼の答えに、前鬼が言う。
「確かに…そうじゃのう…」
「見ようによっては…」
「紅牙や真魚殿と変わらぬくらいか…」
後鬼はそう感じていた。
「そこが儂には引っ掛かるところじゃ…」
「引っ掛かるとはどういうことじゃ…」
後鬼は、前鬼の考えが分からなかった。
「四鬼一族の秩序が乱れておる…」
「何かがあったということじゃ…」
前鬼がその可能性に触れた。
「起きる筈のない事…」
「起きたのではなく、起こしたというのか…」
後鬼がその意味を捉えた。
「そうじゃ…」
前鬼が答えに頷いた。
「それが、よりにもよって今だ…」
紅牙が二人の話に口を挟む。
「それもそうじゃ…」
後鬼が紅牙の言葉に乗った。
「真魚殿がおると言うのになぁ…」
前鬼がそう言って笑った。
次回へ続く…
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