一筋の光が、屋敷の前に落ちた。
その波動が大地を揺らしている。
昴達が空から帰ってきた。
残された者達が、慌てて飛び出した。
「ありゃりゃ…」
お珠が驚いている。
「何をどうすればこうなるのじゃ…」
乙瑠が笑っている。
「ほに…」
「こんな短い間に…」
美鷺と朱鷺が声を揃えた。
見違えるような二人の耀き。
その波動が皆に伝わっている。
「古の扉が…開いたのか…」
お珠がその事実に気付いた。
「そうかも知れぬ…」
「いや、それ以外には考えられぬ…」
乙瑠がその事実を確信していた。
「眠らせたままでは、勿体ない…」
真魚が笑っている。
「まぁ、俺のおかげだ!」
子犬に戻った嵐が自慢している。
「なるほど…その方が都合が良い…」
「ほに、ほに…」
美鷺の言葉に朱鷺が納得している。
「何が、都合が良いの?」
昴が話に入ってきた。
「そのうちに分かる…」
「ほに、ほに…」
美鷺が問いの答えを濁した。
朱鷺と共に笑みを浮かべている。
「後は…神の地か…」
真魚が言った。
「それにはまだ…少し時間が必要じゃ…」
お珠が言った。
「いつだ…」
真魚は単刀直入に聞く。
「あと三日は必要じゃ…」
「次の満月まで待たねばならぬ…」
お珠が答えた。
「満月か…」
真魚が考え込んだ。
「満月の日に、どうにかなるの?」
昴には、想像もつかない。
「波動が上がる…そして、場を完全に閉じる…」
乙瑠がその問いに答えた。
「そのために儂ら、双子がいるのじゃ!」
「ほに、ほに!」
美鷺と朱鷺が笑っている。
「ほう…」
真魚がおおよその答えを見つけたようだ。
「だが、そのためには一度、ここを出ねばならぬ…」
乙瑠が真魚に言った。
「向こうの村に行く必要がある…」
「美鷺か朱鷺婆のどちらかを連れてな…」
お珠がそう言って息子の羅矛に視線を送った。
がたん!ごとっ!
その合図で、羅矛が床板を外した。
そこに式盤のようなものが現れた。
「これと同じものが向こうの村にある…」
「それを、こちらと同時に合わす必要がある…」
お珠の説明に真魚が興味を示す。
「なるほど…面白い…」
強い波動の答えを真魚は見ていた。
「それが、繋がりの理由か…」
そして、その答えに感心していた。
「昴、それに舞衣…」
「お主らは絶対じゃ…」
お珠が二人を見た。
「わ、私も!?」
自分の名が告げられた事に昴は動揺している。
「当たり前じゃ!」
「古の神の力を頂いたのであろうが!」
嵐が昴の足下で笑っている。
「心配するな、俺も真魚もついて行く…」
その言葉を嵐は忘れなかった。
「行ってくれるの!」
昴の喜びの波動が広がっていく。
「俺は行きたくはないが、この男は行く気だからのう…」
嵐は矛先を真魚に向けた。
「これは、俺にも関わりがあることだ…」
真魚はそう答えた。
「なるほど…そういうことですか…」
お珠は一人で納得していた。
「だが、三日後となると、少々厄介かもしれぬ…」
真魚が皆に言った。
「新たな使者ですかな…」
お珠がそれを見抜いていた。
「そういうことになるな…」
真魚は、いつもの笑みを浮かべていた。
続く…
-この物語はフィクションであり、史実とは異なります。
実在の人物・団体とは一切関係ありません-