検査薬で妊娠に気づいた翌日、仕事が午後からだったため朝から病院に行きました。
まだ妊娠したことが信じられなかったし、もしかしたら間違いなのかもしれないし、早く先生に診てもらいたいと思っていました。
基礎体温表を受付に出して、待合で待っていると、看護師さんに呼ばれました。
「生理が来てないね」
開口一番そう言われました。
「そうなんです。昨日検査薬試したら、うっすら反応が出て。右の下腹部も痛いし。いつもこんなことないのに」
右の下腹部は何も関係ないだろうと思うけれど、妊娠の事実を確認したくて一生懸命でした。
とりあえず看護師さんに促されて尿を提出して、また待合に。
どうなんだろう、妊娠してるよね、薄かったけど線出てたし。間違いってことはないよね。
そわそわ、そわそわ、落ち着かない時間でした。
ようやく診察室に呼ばれた私は、先生から思いもよらないことを伝えられたのです。
「確かにうっすら反応が出てるね。でも本当に妊娠してたらもっとはっきり反応が出るはずだから、残念だけど今回はもうすぐ生理が来るんじゃないかな」
ポカンとしてる私に先生は
「こういうの化学流産っていってよくあることなんだよ。ちょっといつもより生理痛ひどいかなっていうくらいだから、分からない人もたくさんいるんだよ」
化学流産・・・流産・・・。
「でも先生・・・妊娠はしてるんですよね」
「まだ妊娠って言える段階じゃないね。こういう場合はね、お薬飲んでも安静にしても、もうどうしようもないの。赤ちゃんの強さの問題なんだよ。今回の赤ちゃんは弱いんだね。縁がなかったね」
「でもあたしお腹痛くて。いつもこんなことないのに、昨日からお腹がずっと痛くて」
それでもあきらめきれない私に先生は私の目をまっすぐに見て
「生理がくる前兆じゃないかな」と言いました。
この先生に診てもらってよかったと思いました。少しの希望も残すことなく、まっすぐにあたしに真実を伝えてくれました。先生に感謝しました。
でも心は整理が追いつかず、帰りの車の中で何度も泣きそうになりました。
泣いたりしない。そう思って車を運転していても、またすぐ泣きそうになってしまう。
泣いたりしない。本当に悲しいのはきっとお腹の中の小さな命。
生まれてくるためにがんばったのに、生まれることができない、あたしの中に小さな小さなこの命。
だから私は泣いたりしない。今回はダメだったけど、生理が来るまでは今のうちは、あたしはママだから。
ごめんね、生まれてきたかったね。
ほんの少しでもママにさせてくれてありがとうね。ありがとうね。
とても悲しかったけど、愛おしい、不思議な気持ちで病院をあとにしました。