妊娠の何が一番素晴らしいかって、夫婦の愛が結晶となって胎内に宿ったから、ではない。自分の子宮の中に限りない可能性を持った新しい命があるから、でもない。
10ヶ月の間、恐怖のPMSから開放されるから。
この一言に尽きる。少なくとも私にとっては。
PMS、即ち「月経前症候群」。
頭痛、腹痛、過食、眠気……。排卵から月経に至るこの期間、多種多様な「不快」症状を訴える女性達がいる。かくいう私も例外ではない。いや、私こそが「純正PMS被害者の会」会長であろう!と豪語するくらい、PMSに苦しめられているのだ。(まったく症状が出ない女性もいるらしい。うらやましいったらありゃしない。)
まず、とんでもなく免疫力が落ちる。風邪をひくのも体調を徹底的に崩すのも、90%がこの時期だ。そして、過食に伴う胃痛にも悩まされる。食べても食べても満たされない、ブラックホールのような胃袋を抱え、5kg前後は体重が増加する。さらに目眩、耳鳴り、下腹部の鈍痛。もう病気のオンパレードなのだ。ふふふふん♪
そうでなくとも症状が強かったのに、二人目の子どもを産んだ後さらに拍車がかかった。
まるで、一人目の子どもを妊娠中に遠ざけられていたPMS症状のお化けが、猛烈な恨みをもって復讐しているかのように。先日など、排卵と同時に吐いた。排出するのは卵だけでいいのに、胃袋からも次々と余計なものが出てくるのだ。まったくタチの悪い悪阻のようだった。
いや、こんなのはまだいい。これだけなら、まだ耐えられる。
PMSの何が恐ろしいって、人格が激変することだ。しかも凶悪な方向に。
排卵すると、予告のない火山の噴火さながらに、内なる狂暴性と鬱が一気に爆発する。自殺願望や破壊願望、被害妄想……ありとあらゆるネガティブな感情が、まるで山肌を駆け下りる真っ赤な溶岩のように心を覆いつくし、柔和でしとやかな大和撫子的人格(?)を無残に崩壊させていく。凶暴性はほとんどの場合、自責の念と相俟って自分自身に向けられる。そして堰きとめようとあがけばあがくほど、どんどん精神的に追い込まれていくのだ。
ところがこの症状、月経が来ると同時に見事に雲散霧消する。
前日の夜までベッドの片隅で丸まって震えながら何時間も「離婚してやる。絶対離婚だ。いや、その前に、殴り倒して私も死ぬ! 」と、涙ながらに思いつめていたにもかかわらず、翌朝には、何故自分があれほどにまで追い込まれていたのか、さっぱりわからなくなってしまい、挙句、南極の澄んだ青空を望むペンギンさながら、「はて?」と首を傾げ、「まあいいか。パンケーキでも焼こう♪」と、ルンルンしてベッドから抜け出すのだ。隣で(ぐったりして)眠る愛しの夫の顔を微笑みながら眺めつつ。
もちろん過食も見事に収まり、丼大盛3杯のご飯を平らげるという素敵な芸当はできなくなる。
PMSの時期が近づく度に「アロマテラピーか漢方か、はたまたマッサージか。それともいっそ、妊娠か!」と、手当たり次第の打開策探しに奔走する妻の横で、夫はホルモンの影響をダイレクトに受けやすい女を娶った運命を少し怨みつつ、やがて到来するであろう妻の更年期障害の重さに思いを馳せては、ひっそりとため息をつくのであった。
ちなみに極度のPMSに有効であるといわれているピル。モノグサで少々臆病者の私は、非常に気になりつつも、まだその壁を越えられないでいる。
10ヶ月の間、恐怖のPMSから開放されるから。
この一言に尽きる。少なくとも私にとっては。
PMS、即ち「月経前症候群」。
頭痛、腹痛、過食、眠気……。排卵から月経に至るこの期間、多種多様な「不快」症状を訴える女性達がいる。かくいう私も例外ではない。いや、私こそが「純正PMS被害者の会」会長であろう!と豪語するくらい、PMSに苦しめられているのだ。(まったく症状が出ない女性もいるらしい。うらやましいったらありゃしない。)
まず、とんでもなく免疫力が落ちる。風邪をひくのも体調を徹底的に崩すのも、90%がこの時期だ。そして、過食に伴う胃痛にも悩まされる。食べても食べても満たされない、ブラックホールのような胃袋を抱え、5kg前後は体重が増加する。さらに目眩、耳鳴り、下腹部の鈍痛。もう病気のオンパレードなのだ。ふふふふん♪
そうでなくとも症状が強かったのに、二人目の子どもを産んだ後さらに拍車がかかった。
まるで、一人目の子どもを妊娠中に遠ざけられていたPMS症状のお化けが、猛烈な恨みをもって復讐しているかのように。先日など、排卵と同時に吐いた。排出するのは卵だけでいいのに、胃袋からも次々と余計なものが出てくるのだ。まったくタチの悪い悪阻のようだった。
いや、こんなのはまだいい。これだけなら、まだ耐えられる。
PMSの何が恐ろしいって、人格が激変することだ。しかも凶悪な方向に。
排卵すると、予告のない火山の噴火さながらに、内なる狂暴性と鬱が一気に爆発する。自殺願望や破壊願望、被害妄想……ありとあらゆるネガティブな感情が、まるで山肌を駆け下りる真っ赤な溶岩のように心を覆いつくし、柔和でしとやかな大和撫子的人格(?)を無残に崩壊させていく。凶暴性はほとんどの場合、自責の念と相俟って自分自身に向けられる。そして堰きとめようとあがけばあがくほど、どんどん精神的に追い込まれていくのだ。
ところがこの症状、月経が来ると同時に見事に雲散霧消する。
前日の夜までベッドの片隅で丸まって震えながら何時間も「離婚してやる。絶対離婚だ。いや、その前に、殴り倒して私も死ぬ! 」と、涙ながらに思いつめていたにもかかわらず、翌朝には、何故自分があれほどにまで追い込まれていたのか、さっぱりわからなくなってしまい、挙句、南極の澄んだ青空を望むペンギンさながら、「はて?」と首を傾げ、「まあいいか。パンケーキでも焼こう♪」と、ルンルンしてベッドから抜け出すのだ。隣で(ぐったりして)眠る愛しの夫の顔を微笑みながら眺めつつ。
もちろん過食も見事に収まり、丼大盛3杯のご飯を平らげるという素敵な芸当はできなくなる。
PMSの時期が近づく度に「アロマテラピーか漢方か、はたまたマッサージか。それともいっそ、妊娠か!」と、手当たり次第の打開策探しに奔走する妻の横で、夫はホルモンの影響をダイレクトに受けやすい女を娶った運命を少し怨みつつ、やがて到来するであろう妻の更年期障害の重さに思いを馳せては、ひっそりとため息をつくのであった。
ちなみに極度のPMSに有効であるといわれているピル。モノグサで少々臆病者の私は、非常に気になりつつも、まだその壁を越えられないでいる。