昨今、『少子化』なる言葉があちこちに見られる。
女性誌はこぞってうたう。
「出産は美しい!」
「産むことを選ぼう!」
「いま、セレブは出産ラッシュ!」

3月号のマリ・クレールの表紙は、クリスティーナ・アギレラの妊婦ヌード(セミ、ね。一応ジャケット着用)をドドン、と見せている。

ひとむかし前にデミ・ムーア(ゴーストで一躍人気になったけどエイリアン3で大失敗と叩かれた女優ね)が当時の旦那(ブルース・ウイルス)との間に子供を設けたとき、同じように妊婦ヌードを披露した。

これがすっごく話題になったのだがそれは賛否両論でもあった。
妊婦である姿を見せるその勇気と美しさを讃える一方で、聖なる妊娠を商売道具として扱うな——。

そんな時代が少し前にあったなんて今時の若い子は知るよしもないだろう。

ニッポンは今、本気で少子化にあえいでいる。
厳密に言えば、少子化によりきたる未来に不安を抱いているのだ。
あらゆる税金が高くなり、年金支給額が減るのではないか——という生活不安と、国際社会におけるニッポンの競争力低下に繋がるのではないかとの懸念。

政府はとにかくニッポン女子に子供を産んで欲しいのだ。
じゃないと大事な財源は減るし、国際社会からは「なーにやっちゃってるんだ、ニッポンのおえらいさんよ。俺らの人財貸したろか?」とヒューヒュー言われてしまう。

そういうわけで、イマドキの女性に出産意識を高めるべく、『妊娠&出産』はファッショナブル且つ、ナウイ(死語活用例)のだと宣伝しているのだろう。

そういう働きは悪くないと思うがしかし。

でもでもでもでも……そんなのカンケイネー!
……って感じで、結婚して特別な問題もない女が
子供を産まない選択をしているのはナゼ?

子供にお金がかかるから?

保育所が不足してるから?

勤め先の理解がないから?

夫の協力が望めないから?

どれだけ複合的な理由が合わさっているのかわからないが、それは夫婦の問題でもある。簡単には言い表せないことには違いない。そして実際、彼女達に聞いてみると実に様々な答えが聞こえて来るのだ。答えながらも、『産む』ことに揺れる心境がちらほらと垣間見える。

欧米に右倣えで政策を模倣しても、それが日本人の感性に合わなければ実情に即したものになるとは言えないはず。そのデリケートな内面に切り込んでいくことが、少子化を歯止めする鍵となり得るのではないだろうか。