中学生の頃、思春期特有のコンプレックスに苛まれていた私。
クラスメイトの可愛い女子を見るたび「あの子は可愛いから」とネガティブっぽい呟きを繰り返していた。そんな私の発言を聞いて友人は戸惑い、なんて言葉を返せばいいの?という雰囲気を放っていたものであった。

「かわいい」という言葉は今でこそ「カワイイ!」「kawaii」などと世界のキティちゃんと共にニッポンのサブカルチャーを担っているとも言える。

しかし当時はね、おニャン子クラブ全盛期。
一重でチビ、天然パーマでデカ足がコンプレックスの私は「可愛い」とは無縁のところでネガティブ村に在籍中。『バレンタインデーキッス』も『セーラー服を脱がさないで』もどこ吹く風……。

高校時代になると「あたしは最後には矢崎滋※のような男と結婚するんだよ……」とどうとも判断つきかねる発言をして級友をアナザーワールドへ導いたりしていた。
(※まる眼鏡が特徴の俳優。白鶴のCMが有名)

だが時が経ち、様々な経験を重ねていくらか大人になったある日、ふとこう思う。

「だけどもこれも個性じゃないか」

天然パーマで一重まぶた、デカ足でチビだ。でもそれを誰が悪いと言ったのだろう?いつの間にか頭でっかちに作り上げられた『美』に自信を損なっている。

自分に負けてる? そう気づいたのである。

その瞬間、ネガティブな自分にピリオドを打つことを決意した。だってあたいはオンリーワンの人間だもん。これでいいじゃないか!
後に時代はオンリーワン旋風に見舞われる。そう、言わずもがな「世界に一つだけの花現象」である。

「ナンバーワンにならなくてもいい~もっともっと特別なオンリーワン~」

どれだけの人があの歌に救われたことだろう。コンプレックスという哲学は、自己を掘り下げていくつもの発見を促す。コンプレックスがあったから今の自分があると言っても過言ではない。あの、ネガティブにさよならしたときから私の新しい人生はスタートした。

それは決して、『おばさん』になったというわけではなくて。

さよなら、ネガティブ。
そしてこんにちは、どこまでもお気楽な私。