目が覚めたら、そこに江戸を見た。

 

 

寒さに負けて、花や、葉を落とした黒く,枯れた枝々に,春雪は一夜で純白の花を咲かせる。

 

そして一面を覆い隠した雪は時代を隠す。

 

 

ゆきやこんこ

あられやこんこ

ふってもふっても

まだふりやまぬ

犬はよろこび

にわかけまわり

ねこはこたつで丸くなる

 

時代を超えた、景色だ。

 

 

二〇才過ぎ迄、南国土佐で育った私にとって突然積もった雪は、子供にとって得難い経験で、「雪やこん・こん、あられやこん・こん」と歌いながら、小さな雪だるまを作ったり、近くの公園で友と遊ぶ雪合戦は、少年にとって何年か間を置いてやって来る一大行事であった。

突然、東京の雪が私を故郷へと誘い、郷愁に浸らせる。

 

にわかけまわる、程の庭はなかったが,猫は確かに雪はなくても炬燵で丸くなっていた。

今や炬燵で丸くなるのは、私の方だろうから皮肉なものだ。

 

「猫と犬」とは「老人と若者」の例えだったのかと、体調のせいか敢えて自虐的になる自分を叱る。

 

 

一方、度重なる大雪に命を落とす方々のいる厳しい現実を見なくてはならない。

 

被災者の皆様が、息災にて春を迎えられる事を心より祈っています。