<気候変動>
気候は急速に変わり、異常気象がどこでも発生するということが続くだろう。
すべてが予想した通りに発生するかどうかはまだ不確かだが、気候が急激に、危険なほどに変わっているということは疑いようもない事実だ。
大気圏の活動と経済・人間の活動のバランスを考えることが、わずか10年間にどんなことが起きるかをより正確に予測する手助けになるだろう。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、地球の平均気温の上昇を産業革命前の水準から1.5℃に抑制するために、二酸化炭素の排出量を迅速に減らすことがどれだけ重要な意味を持つのか明確にしている。
しかし、現在の各国政府のコミットメントを見ると、そう簡単なことではないだろう。
理論上、各国政府は2015年に採択されたパリ協定で、平均気温の上昇を産業革命前から2℃未満に抑えることに同意してはいる。
しかし実際には、いま各国がコミットしているのはせいぜい3℃上昇させないというところだ。
現状のままだと、2030年までには1.5℃上昇するだろうし、それに向かっているのが現実だ。
気候変動が引き起こす結末は容赦のないものだろう。人口密度の高い沿岸部の多くは、海面が上昇することで、共通の課題を抱えるだろう。
自然界はさらにはるかにその豊かさを失い、多くの種の集団が壊滅的に減少し、サンゴ礁などの生態系は全滅する恐れもある。
干ばつや洪水は世界の穀倉地帯に打撃を与え、主要穀物の生産地域も変わっていく。
北極圏は夏、氷がなくなるだろう。もちろん船が通れるようになるので、サプライチェーンを短縮できるという利点はあるが、ピュロスの勝利のようなもので、払う犠牲に比べて得るものが少なく、割に合わないだろう。
海面上昇や水源が変わることで、居住地を移さなければならない大規模難民が生まれ始めている。
2030年までには、それ以降の数十年がどんな状態になるのかより明確になるだろう。
私たちは生きている間に、主要な氷床が溶けることで多くの海岸沿いの都市が浸水するかどうか、そして、人の住めない地球に本当に近づいているのかどうかを知ることになるだろう。
ー以上引用終わり



