「原則あれば、例外あり」
法律を勉強していると必ず出てくるのが、この原則と例外。
昨日は、未成年者の特別代理人がする遺産分割協議の内容 で「原則」部分をお話しました。今日は例外についてご説明します。
未成年者の特別代理人が他の相続人と行う遺産分割協議では、
原則、「未成年者の相続人に法定相続分が確保されている」必要があります。
例外的に、
「未成年者の法定相続分が確保されていない遺産分割協議」
が認められる場合があります。
例外とはどんな場合でしょうか?
それは、結果的に未成年者の不利益にならないような場合です。
私が実際に担当した事例をご紹介します。
(実際の内容とは異なります。わかりやすくするため内容を変えています)
父が亡くなり、相続人は母と未成年の子1人でした。
父は病気だったため医療費がかかり預貯金はほとんど遺っておらず
遺産といえば自宅の土地と建物だけでした。
自宅は父が生前に住宅ローンを組んで購入しましたが、
もともと持病があったため団体信用保証に加入出来ませんでした。
そのため父が亡くなっても住宅ローンが完済されず、
約3000万円の住宅ローンが借金としてのこりました。
幸い、母は勤めていたので収入があり、住宅ローンの毎月の返済をしながら未成年者の子と生活をやっていけそうでした。
銀行と相談したところ、
遺産である自宅の土地と建物をすべて母が単独で相続し、かつ住宅ローンも母が全額負担することになりました。
父名義の不動産を母が相続するには遺産分割協議をする必要があり、
未成年者の子の特別代理人を選任する必要があります。
原則で考えれば、母が不動産をすべて相続することは認められません。
そこで私が担当した特別代理人選任の申立では
「母が単独で不動産と住宅ローンを相続する」という内容の遺産分割協議書案
と
住宅ローンがのこった事情や、母が子の親権者でありこれから生活費や教育費といった子の一切の生活の面倒をみていく旨を説明した上申書(事情説明書)
を提出することで、上記の内容の遺産分割協議をおこなうことが認められ
特別代理人も無事に選任されました。
もちろん、例外に当たるかどうかの基準は案件ごとに異なります。
上記とよく似た内容でも最終判断は裁判官が行いますので、上申書を提出すれば必ず申立人の希望どおりの遺産分割協議が認められるとは限りません。
あくまでも原則は「未成年者の相続人に法定相続分が確保されている」こと。
例外にあたるかどうか、まずは司法書士に相談してみましょう。
詳しくお話を伺ったうえで、司法書士が案件ごとに適した文章を作成し、
相続手続をバックアップいたします。
(未成年者と特別代理人に関する記事はこちらから)
未成年者の子がいる場合の遺産分割協議~特別代理人が必要なことも
あなたにとってこのブログが役立ちますように。
