神智学者ルドルフ・シュタイナーの講義録を翻訳収録した書籍は、何度でも繰り返し読んで反芻しています。
内容は当然として、その語り手としての姿勢にもいつも学びがあり、自分が占星術を教え伝えるうえで大切な在り方になっています。
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「照応する宇宙」シュタイナーコレクション3 高橋巌訳 筑摩書房刊(2003年)
“マクロコスモスとミクロコスモス 魂、生命、霊の本質を問う”(ウィーン 1910年3月21日~31日)
第11講より「神智学の語り方」抜粋行替え
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◆神智学の語り方
神智学者は、現代のほかの研究者たちよりもはるかに積極的な仕方で、人間の魂に直接訴えかけます。
ほかの研究者たちは、実験したり、数学的に論証してみせたりして、自分の発見した事実を認めさせようとしますから、それを受けて、私たちはその事実を承認することしかできません。
神智学者は別のやり方をします。
人間の魂のはるかに内密な側面に訴えかけるのです。
神智学者は現在のところ、ほかの学問が行うような、外から検討することのできる証明をやってみせることはできません。
しかし自分のハートの中にある真理感情が、すべての人のハートの中にも存在していること、誰でも魂の在り方次第で自分の中のこの真理感情に出会えることを知っています。
ですから神智学者は人間のハートに訴えかけ、人間のおのずからなる真理感情に訴えかけ、それに出逢えるか出会えないかを各人の魂の自由な裁量に委ねるのです。
神智学者は自分の述べる事柄を説得しません。
自分の魂の中に生きているものが、どんな人の魂の中にも生きており、人びとに何かを与えるのではなく、どんな人の魂の中からもめばえてくるはずのものに刺激を与えようとするのです。
ですから神智学者は本来、誰でもそのための時間を十分に費やせば、自分自身の内部で体験できるはずの真理だけを語ろうと試みます。
私たち人間は、互いに相手を求めています。
私たちは、特に霊的分野において、求める事柄に互いにこころを通じ合わせるべきなのです。
私たちは互いに働きかけ合うべきなのです。
真理を共同で求めることだけが、神学者徒の社会的な態度でなければなりません。
このことに注意を向けたとき、これまで連続講義の中で述べてきたことを正しい光の下に置くことができます。
これまで述べてきた事柄は、すべての人の内なる魂への呼びかけなのです。
たとえ自分の中に見霊能力を見出すことができなくても、自分の魂を理解して、ここで述べてきた事柄に到る試みをするように、という訴えかけなのです。
ですから、すぐに理解を得られなくても、この訴えかけが聴く人のハートに沈み、そこで更に芽生え、新たな理解へと発展していけるように、という願いをもってお話してきました 。