初めて声をあげて泣いたんだ【退院日記 ep.3】
2019/08/15(木)12:22
お墓に着いた。
幸いなことに、降っていた小雨は止んでる。
行いがイイから、神様が雨を止めてくれた。
!あれ? 落ちてるけど、小さい花束がある。
もう、ずーーーーーーっと、10年以上
正月に行っても、お盆に行っても、
いつ行っても、誰も来た気配なかったのに。
もっとも、去年はボクは入院してたから、
お盆には墓参りできなかったんだけど。
ロウソク立てには、ロウソクも刺さってる!
線香もあげてくれたようだ。
ロウソクは、いつも風が強いこの高台にある
紫雲台でも火が消えないようにと、
消えにくい処理のされた立派なロウソク。
誰だか知らないけど、ありがとうございます。
誰だろう???
父方のじーさん、ばーさんも眠る墓だから、
本来は、ボクの従兄弟連中だって来て
おかしくないんだけどね。
っつーか、アイツら(従兄たち)も、たまには墓参りくらいしろよ!と思ってたんだけど。
姉だった人も、父さん母さんにはイイだけ世話になって、実質育ててもらったくせに、
墓参りなんてしたことないだろうし。
実は、父のすぐ下の弟夫婦(ボクの叔父夫婦)も入ってる。
生前、うちの両親が叔父さんに頼まれたから。
その叔父夫婦にはお子さんが一人。
ボクより2、3歳年上の従兄弟だ。
だから、彼なんて墓参りに来ないとバチが当たったっておかしくない人。
みんな、墓参りも全くしなくて諦めてたけど、
誰だか分からないけど、少なくとも一人、
今年は花をあげて、ロウソクをたてて、
線香をあげて、手を合わせてくれた方がいる。
…嬉しい。
とってもありがたい。
- - - - -
二幸の和菓子、ワンカップと缶ビールを供え、
久しぶりに娘たちなしで、独り墓前に。
『父さん、母さん、一弘だよ…!』
そう口にした途端、不意に
今まで抑え込んでいた感情が
突然、堰を切ったように溢れ出した…!!
『つらいことばっかりあって…!!』
感情が溢れ出してきて、止められなかった。
止めたくもなかった。
声を出して泣いた。
心臓を患って以来、初めてだ。
こんな声をあげて泣くなんて。
全部、吐き出してしまいたくなっていた。
何かある度、「どうにか対応しないと!」、
「何とか対処しないと!」
いつもそればっかりで、それで精一杯だった。
ゆっくり泣いてる暇なんてなかった。
『父さん、母さん』と呼びかけた瞬間、
ボクの心は二人の子供にかえっていた。
だからなんだろう、素直に泣いたんだ。
『助けて…!』って、叫ぶように泣いた。
… 初めてだ。
こんなのは初めてだ。
でも、両親の前で思い切り泣いたら、
少しスッキリした。
父さん、母さん、ありがとう…。
また来るからね。



