本の紹介『ちりめん本とジェイムス夫人』
ポストに何やらでっかい封筒が入っていました。
実は8月に本の出版を予定しているのですが、編集者よりダメ出しの校正がはいり、出版できるかどうか不安な日々を過ごしています。
そろそろ2回目の校正があがってくるころで、恐る恐る開けてみると.....
校正の原稿ではなく、郵研社のTさんから、エールの手紙と最近出版した『ちりめん本とジェイムス夫人』が入っていました。
ものすごくホッとした自分に、ビックリするやら呆れるやら(笑)。
そこは気を取り戻して、読んでみると、なかなか面白そうな本です。
国立国会図書館に勤務されていた方が退職後に書かれた本で、大学で研究員や講師もされていたから、私の拙い文章とは雲泥の差!
と、いじけて僻んでみても仕方ないので、ちょっとだけ紹介します。
ちりめん本とは、手すきの和紙に、まず木版印刷で挿絵を、次に活版印刷で文字を印刷し和装本として製本します。
印刷した後に、和紙をちりめん上に加工するので、元の大きさの80%ぐらいの大きさになります。
元の平紙よりちりめん紙のやわらかい手触りが生まれるとともに、色も鮮やかな色彩に仕上がるのだそうです。
もちろん初めて知りました。
ちりめん本は長谷川武次郎が、明治十八年から明治二十五年にかけて、日本の昔話を外国語に翻訳した『日本昔噺』シリーズ(Japanese Fairy Tale Series) 二十巻二十一冊を刊行しています。
収められている昔噺には、「桃太郎」「舌切り雀」「猿蟹合戦」「花咲爺」「かちかち山」の『五大昔噺』に加えて「ねずみの嫁入り」「瘤取」「浦島」「八頭ノ大蛇」「松山鏡」「因幡の白兎」「野干(きつね)ノ手柄」「海月」「彦火火出見尊(ひこほほでみことのり)」「俵藤太」「鉢かづき」「文福茶釜」「竹箆(しつぺい)太郎」「羅生門」「大江山」「養老の滝」などがあります。
それらの翻訳者には、明治六年(一八七三)に来日し、東京大学で博言学を講じ、上田万年など多くの門下を育てたチェムバレン(Basil Hall Chamberlain)や、安政六年(一八五九)にアメリカ長老会議の宣教師として来日、伝道や医療行為の傍ら和英辞書の編纂を行ったヘボン式ローマ字の創始者であるヘボン(James Curtis Hepburn)など日本人によく知られた人の名があります。
このシリーズは好評で版を重ね、長谷川武次郎の息子の西宮與作に引き継がれ、最も新しいところでは昭和十五年頃まで発行されていたそうです。
その翻訳には次回の朝ドラにもなるラフカディオ・ハーンの名前もあり、ジェイムス夫人もいるのです。
まだ読み始めたばかりですが、明治の上流家庭の様子が伺えたり、当たり前ですが、翻訳によって表現方法の違いに感心したりと、今のところ放棄せずに読み進めています。
このシリーズは英語以外にドイツ語・フランス語・スペイン語・オランダ語・ポルトガル語などの言語に翻訳されています。
本の中にも紹介されていますが、デジタルデータも幾つかあるようです。
ちりめん本データベース
https://shinku.nichibun.ac.jp/chirimen/index.php?disp=JP
国立国会図書館リサーチナビ
https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/children/post_495
まだ読み終えていないので、今日はさわりだけの紹介です。
気になった方は手に取ってみてください。
https://www.yukensha.co.jp/books/chirimen.html
それにしても、日本人は、どうしてこんな面倒臭い手順を踏んでまで感性にこだわるんでしょうね~
そういいつつ、私も本物を手に取ってみてくなりました。
