先週末は、また母に「一緒にいいかしら」とお願いされ

第2回、母を連れてプールで歩行+筋力つけようの会であった。

 

前回のあまりのプールでの異常行動に、実は人生初めてのプール、80半ばにして・・・という衝撃の真実を知ったムスメのワタクシ。

 

そのお話はここ(今日はこの続きのお話が出てくるので読んでない方はぜひ)

 

あれから2週間半、あんなに恐怖におびえていたのに、プール後に感覚が鈍くなってる左足がポカポカしたことへの喜びが勝ったようで、またやる気になってくれた。

 

水着をレンタルし、ロッカールームへ行く。

母に水着を渡し、ワタシはワタシで着替えていたら、母が言う。

「あら、どうしよう、替えの下着持ってきてない」

と。

「今のん着ればいいやん」

というと

「ほやけど、プールから上がったらびしょぬれやん」

 

まじか、もう初期化されてる・・・

「せやから、水着の下は下着も脱ぐってば」

というと、しばらく考えて

「あっ、そうかそうか」

と納得の母。

 

自分の準備が出来て母を見ると、何も進んでいない。

水着はやはり一人では着れないのか・・・・と子どもにタイツを履かせるように、両サイドにぐっと広げて、「はい、ここに足を」とそこからである。

 

やっと着れたはいいが、ちょっと水着が斜めっている。

「ぎゅぎゅぎゅっと左に全体引っ張れる?」と聞くと

「しんどいし、もうエエ、これで」

というのだ。

えーーー!!!まっすぐ前向いてんのに、水着だけ滝川クリステルになっててもエエんかいな。

 

とまぁ、本人がエエというなら仕方ない。目的は「美しく水着を着る」のではなく、「水中で歩くこと」なので、ふわって全体にバスタオルをかけて、斜め感をカモフラージュしながら、プールへと向かった。

 

浅い階段を一歩ずつ降りていくと

「あ~、足がふわ~っと浮く、浮くじゃな~い」と

再放送見てんのか?

と思うくらい、2週間半前と同じことをやる母。

 

つかまる手すりがなくなると、この世の終わりみたいな顔してこっちを見てくるのも同じ。

 

こうして、母の手をとって、ゆっくり歩きながら、なぜ水泳と無縁だったのかを話し始めた母。母は戦時中生まれ、学校でプールなどある訳がないと。それでも中学生の頃には泳げる友人たちに誘われて川に入ったことがある。「大丈夫、だいじょうぶ」と言われてすすむと、急に深いところがあって、ドボ~ン。

「あーーー、ブクブクブク」

友人たちに担がれて助け出されたんだと。

 

初めての川でおぼれたのか。

それはトラウマになったに違いない・・・

 

だとしたら、この年でプールを頑張っている母は、すごいチャレンジャーなんだなぁ、と思えてくる。

 

1周9分で回ってこれたことに気を良くした母。

2周目には、その当時の話をしながら、「そうそう、だからね、NHKの朝の『エール』あそこで兵隊さんが歌う歌、あれ全部歌えるんやで」と

「ちょっと歌おか?」

と言い出したのだ。

 

エエわ、エエわっっ

プール歩行のBGMが軍歌って、今何時代よ

渋すぎるやろ

 

と笑っていると、母がプールサイドを歩いている母よりは若いおばぁちゃんに目をやり「あの方の水着素敵ね」と言ったのだ。

 

これは、プールを続ける気なんだな、と思ったワタシ。レンタルでなく、自分の水着が欲しいとか、くぅぅ、エエ傾向ではないか。

 

なので、聞いてきてあげようとしたのだが、母を歩行プールに置き去りにするのは、としっかりとつかめる端に移動してから、彼女のところへ行ったワタシ。

 

「母がリハビリで歩行してて、そろそろ水着を買いたいと思ってて、今着られてる水着が素敵だって言ってましてね~」

なんて話かけると

「あっ?コレ?ワコールで買うたんよ~」

とニコニコして教えてくれたのだ。

 

そしたら、プールの中の母に気付いて、わざわざ母のところまできて、プールサイドで膝ついて、「これね、阪急の9階行ったらね、ぎょうさん水着売ってますから、そこにワコールとかサイズも揃ってますから」と教えてに来てくれたのだ。

 

「これでいい水着が買えそうやね~」なんて言いながら、途中、腿を高く上げたり、まっすぐ伸ばして、振り下ろすとか、少し負荷をかける動きをしたりして、2周目が終了。

 

「今日は3周行くから」

と母の宣言。よ~しと最後1周見事に歩き終わり、階段に近づいていると、70代くらいのおばあちゃんがふわ~っと寄って来て、

「よく、頑張れましたね」

と声をかけられたのだ。

 

嬉しそうな母。

ワタシまで嬉しくなってちょっと目頭あつ~なるという、すごく温かい労いの言葉だったのだ。

 

ワタシだったら、この状況、声をかけれただろうか。

心の中では思えど、もう話しかけるという勇気とか、最近の出来るだけ静かにしておく的風潮に流されてしまってるんじゃないか、と思ったのだ。

 

曲の歌詞や、人の生きざまからパワーを貰うことはあっても、目の前の「見ず知らずの人の言葉」からパワーをもらうって、すごく、すごく久しぶりなんじゃないか、と。

 

知らない人とのちょっとしたコミュニケーション。

そういえばアメリカでは一歩外へ出れば当たり前のようにあったこのぬくもり。

 

若い世代は今の状況でもいいのかもしれないが、我々世代は、あの昭和なやり取りと空気感をやっぱりどこかで欲してるんじゃないのかな、とふと思ったのでありました。

 

 

 

 

 

アメリカでの日常

人と人とのコミュニケーションが楽しくて、問題解決にもつながって、やっぱり大事!

 

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Boi