里実がブログを始めたのはこれを書きたかったからなの。
度重なる発作からくる死への恐怖。
まだ死にたくない。死にたくない。死ぬんなら後悔したくない。
いつもの救急車の中さとちゃんは思う。
里実がパニック障害になったのは2003年の秋。
ある日Bedに入ろうとしたら突然息ができなくなった。
苦しくて苦しくて必死で携帯の119を押した。
原因は、その頃仕事があまりにも忙しすぎて過度のストレス、疲れ。。。
あまりのストレスに里実の体はとうとう壊れちゃったの。
『パニック障害』
日本では認知度の低い精神内科系の病気。
経験のない方への理解はまず難しい。
理解してもらえないこと、それが余計に里実を苦しめた。
発作が起きた時はもう成すすべがない。
苦しくて苦しくてほんとに死んでしまうんじゃないかというすさまじい恐怖に襲われる。
そうすると普段から死ぬのが怖くて怖くてたまらなくなる。
苦しみに怯える毎日。理解されない孤独感。
そのまま普通なら引きこもりになって鬱を併発したりする。
でもさとみの発想は違った。
いつ死んでも、明日死んでも後悔しない自分でいたい。
いろんな所へ行きたい、いろんな人に会いたい、
世界は広いのに今死んだら何もしてない自分に後悔して死ぬことになる。
臆病な里実が憧れの海外へ出ることを決めたきっかけです。
いつも発作と隣り合わせのボロボロな体を引きずって
バリ、ハワイ、オーストラリアを経てここアメリカLAにたどり着きました。
オレンジカウンティーで一年以上のリハビリ生活。
それでも止まない発作、不眠症、鬱、やりたいことがやれないもどかしさ。
そんな時JPyというウェブマガジンのセレブPartyに友達に誘われて参加した。
JPyって何?まさか後に自分が情熱を注ぐものになるなんて思ってもみなかった時。
BeverlyHillsに向かうリムジンの中でも呼吸困難。
でも引きこもりたくなかった。
どんなにめまいがひどくても、どんなに呼吸が苦しくても
友達が好き、楽しいことが好き、笑うのが好き、お酒が好き
好きをあきらめたくなかったから。
そこで諦めたら終わりだと思った。
そのイベントである人に出会った。
もう一回社会復帰したいって心から思った。
真剣にもう一度パニック障害と向き合う決意をした。
まず本を買って徹底的に読んで確信したこと、
パニック障害は治る病気。
ネットでとにかく調べた。きちんと資料にまとめてまずは、彼氏に理解を求めた。
同棲してる彼の助けが必要だった。
発作が起きてさとみが苦しむと彼は叱った。
彼は心を鬼にして、もっと強くなれっていうばかり。
そんなの違う。
不安で不安で怖いからただ心配してほしい。
よしよししてほしい。
ギュッてしてほしい。
安心させてくれるだけでいいの。
外傷のある怪我や病気じゃないから簡単には理解してもらえない。
それが余計にストレスになったり、無理しなきゃいけなくなってしまう。
疑われるのが辛い、、、
日本語で調べたらちょっとしかないソレ系の病院。
―パニックアタック―英語でLAで調べたら数え切れないほどのたくさんの病院が出てきた。
そういうこと。
認知度が全く違う。
こっちにはパニック障害センターなんていう専用のセンターがあちらこちらにあるくらい。
そしてとうとう運命の専門医と巡り会えた。
日本で処方され毎日手放せず4年間飲み続けてた私の薬は、
麻薬と変わらないモノだった。
一時的に体を楽にさせるもの。
切れるとまた欲しくなる。
日本の医者は精神科系の患者にはそういう薬を与えておとなしくさせとくのがほとんどらしい。
ごまかしてごまかして、、、何年経っても病状は変わらない。
これを読んでて思い当たる人もいるのではないでしょうか?
今すぐきちんとした専門医を探してください。
まずは、そのドラッグを断つ治療から始まった。
脳の誤作動を根本的から治すという軽い薬を処方されたものの、
ドラッグの切れ目としてよく聞く幻覚に悩まされた。
誰かが襲ってくるという根拠のない恐怖に毎晩うなされた。
何度も薬に手を伸ばしそうになったけど、それ以上に本気で元の体に戻りたかった。
めまいのない、宙に浮いてる感じのない、ちゃんと地に立つあの感覚。
現実感のなさ、毎日ぼやっとした頭の中。
何をしてても現実味がない。
まるで自分が夢を見ているような非現実的な感覚。
気が狂うような発作。発作に怯える体。
元に戻りたかった。
1週間耐え、2週間目には完全に断っていた。
一ヶ月経った時、先生と一緒に目の前のゴミ箱に昔の薬を捨てた。
今でも根本的に脳の誤作動を治す助けをしてくれる微量の薬と、
定期的な診察に通っている。
でも近いうちその薬もなしで過ごせる日がくるはずだ。
健康なだけで幸せ。
世の中には体が不自由でやりたいこともやれない人、
生きたくても生きれない人がいっぱいいる。
大切なものは失ってから初めて気付く。
一度失った人はその大切さを知ることができる。
この病気を通して得たものもたくさんある。
人の苦しみを理解してあげれる気持ちを持てたこと。
この経験を話すと、実は、、、とみんな何かしらそういう病気を抱えているという告白をしてもらえるようになった。
それはパニック障害という経験を経た里実だから話してくれること。
里実も治った今だからこそ公表できるようになった。
みんなに白い目で見られるのが怖くて本当の身内にしか言えなかった。
そして何より一番得たものは自分の人生の価値観。
健康な体さえあればなんでもできる。何でも挑戦できる。
毎日時間を無駄になんて使えない。
一度失ってまた手に入れた人はそれを誰よりも大切にできる。
photo by Naoki Hayashi http://

