今回は大阪の名門校、2020年度大阪星光学院中入試算数の総括です。
毎年言えることですが、星光の問題は、学習効果の高い良問ぞろい、ということ。2010年度を除いて、難易度的にも単元的にもほぼ毎年安定的に質の高い試験内容になっています。
ただ、今年から、少しだけ形式が変わりました。
2019年までは、B4用紙 2枚分で構成されていて、
1枚目【1】小問集合 【2】
2枚目【3】 【4】 【5】
という形式だったのですが、
2020年からは
1枚目【1】小問集合 《計算欄つき》
2枚目【2】 【3】
3枚目【4】 【5】
のように、B4用紙3枚分で構成され、【1】の小問集合が、《計算欄つき》になったところが、大きな変更点と言えます。
【1】に関しては、答えが間違っていても、計算のあとをある程度残せば、部分点を与えるよという採点方針になった、ということですね。これは東大寺の採点方針と同じです。(ただ、東大寺に関しては逆で、【1】以外においてこの方式を取り入れています。)
さて、では内容を見ていきましょう。
【1】
(1)計算問題~連分数~
これは正直驚きました。星光の計算問題は、従来オーソドックスな四則混合計算問題が出題されてきました。まぁ中には過去、1だけとか1から9までとかを羅列しただけの遊び心のある変わった計算問題が出題されたこともありますが、今回ここまで何かの単元に絞った計算問題の出題がされたことは今までありませんでした。昨今東大寺が計算問題で趣向を凝らしている影響が多少あるのかもしれませんが、個人的にはあまり計算問題の趣がエスカレートし過ぎることに対して警鐘を鳴らしたいと思います。
(2)平面図形~長方形の折り曲げ・角度求め~
最近、星光ではよく出る、長方形の紙の折り曲げ。2回折っているんで多少複雑かもしれませんが、折り目に注目して復元し、対称性を利用して分かる角度を書き込んでいけばそこまで苦労することなく正解にたどり着けるのではないでしょうか。
(3)場合の数~数ならべ~
灘の二日目の場合の数の問題と、少し趣が被ったような問題です。2020年ということで、2種類の数字が2個ずつ使用された数を数えてくださいということですが、0が千の位に来てはいけないことに注意するだけで、割と数えやすく合わせやすい問題だったかと思います。
(4)文章題~過不足算~
5年生のテキストにもありそうな、オーソドックスな過不足算。これを落としていては、星光合格は難しいでしょう。
(5)平面図形~直角三角形相似~
これも最近の星光の流行りです。ひと昔前までは、どちらかというと、直角三角形以外の相似形について出題されることが多かったのですが、近年は打って変わって直角三角形相似の出題頻度が急上昇しています。私の生徒には口酸っぱく言っていますが、直角マーク、○、×の角度打ちをまずしっかりとおこなって、斜線を含む直角三角形相似に注目して長さを求めれば、計算は分数がからんでほんの少し複雑になりますが、問題なく正解できるのではないかと思います。
【2】 点移動~真ん中との出会い~
2007年に西大和学園中入試で同じ問題が出題されています。
(2)に関しては、振出しに戻るのが何秒後かという問いなので、どちらかとういうと数の性質に関する問題です。(1)(2)は確実に合わせたいところですが、(3)に関しては似た問題を解いたことがない人は困ったかもしれません。「PAの真ん中とBとの出会い」「PBの真ん中とAとの出会い」を考えれば、簡単に計算できます。(3)は差がついたでしょう。
【3】 規則性~三角形タイプの数表~
ド定番問題で、過去にもいろいろな学校で出題されていますし、どの塾のテキストにものっているであろう問題です。ただ、ジグザグ系なので多少複雑。三角数を利用して、書くべき部分の図だけは丁寧に書いて数え上げれば合わせられます。ミスせず合わせられるかどうかという意味では、星光受験生の中で差がついた問題かもしれません。
【4】 立体図形~立方体くりぬき求積~
これもまたよく見かける問題で、立方体に穴をあけて残った部分を求積するという問題です。穴のあいた部分がどんな形なのか、イメージできるか、作図できるか、が問われますが、そういう類の問題の中ではかなりイメージもしやすく解きやすいと思います。確実に全問合わせたいところです。
【5】 図形の移動~長方形が見える範囲~
図形の移動と書きましたが、単元的には影問題っぽいかもしれません。
とにかく、問われるのは「作図力」です。文章で書かれた条件を正確に読解して、その条件に合う作図をていねいに行って状況把握、そして計算、という一連の作業がちゃんと出来るかどうかが問われる良問です。(1)を確実に合わせて、(2)まで合わせれればとりあえずは十分かなと思います。(3)は難度が高いです。
以上簡単にまとめてみました。
総じて言えることは、星光は毎年良問ぞろい、「基礎がちゃんと備わっているか」という点にのみスポットを当てた入試問題であるということです。難しい問題ばかりさせられて、基礎が永遠におろそかになっている人が合格できないように作られています。
浜学園で言うと演習教材B問題、希学園で言えばベーシック教材&実レ、といったレベルをどれだけ理解度を高めて演習を積めたか、が問われています。
星光を第一志望に考えている方は、間違っても浜や希の最レを受講してはいけません(笑)
塾側は受講者を増やしたいので、まずは受講しましょうと促されるかもしれませんが、星光を目指す上では内容的に必要ありません。(東大寺だったら話は別です)
星光を志望してこれから頑張っていく予定の方は、以上の内容ぜひ参考にしてみてください。
make sense!
■■算数ソムリエ■■
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