上質な抽象画ってこういうのだと思う 〜LVシモン・アンタイ展 | 山里リトリートねこ福 ✢✢ 時間が止まる龍宮城へようこそ ✢✢ 大阪高槻 神峰山の郷

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開催中の展覧会のご紹介です♪

 

大阪御堂筋に面したルイ・ヴィトン店舗の上階にエスパス ルイ・ヴィトンという展示スペースがあります。現在はシモン・アンタイ展を開催中。

 

 

シモン・アンタイ? 全然知りませんでした。

 

でも、エスパス ルイ・ヴィトンが紹介するモダンアートはどうもわたしのツボに刺さる。だからとにかく行ってみた。

 

 

 

 

大きなキャンパスに塗られた青いタイル。

 

ただそれだけなのに、能弁に語りかけてくる。

作者のパッションを代弁するやかましい青。

 

 

綿密に計算して製作するも、自然の成り行きに味わいを委ねたおおらかさを感じる。

 

そこが絶妙なバランス。気に入りました。

 

 

 

特にこの作品。

 

 

完璧だー!

 

 

色彩の組み合わせ、色調、余白、作為と成り行きのハーモニー。

見上げるような大きなキャンパスに構図バランスもバッチリだ。

 

どうやって製作したんだろう?

空間感覚の天才だったんだろな。

 

 

こういう一見メチャクチャな殴り描きのような絵画にもリズムと調和とを見出せると、いつまでも眺めていたくなる。安らぎを感じます。

 

この人、ジャクソン・ポロックのこと意識してたんじゃないかなぁって想像した。

作風は違うけれど、描き出そうとしたものは同じな気がした。

 

帰り際に解説を読んだ。やはり、ジャクソン・ポロックやマティスの影響を受けたと書いてあった。 おりゃっっ

 

 

 

そうそう、マティスへのオマージュだよね、この2色使いの作品たち。

 

 

こうやって美の系譜を辿るのも鑑賞の楽しみです。

 

 

 

いつもながらにここは展示配置もかっこいい。

 

はすかいにテーマの違う作品を対比的にチラッと見せる。そうすると空間自体の奥行きも作家の力量の厚みも一瞬で体感できる。

 

 

 

興味をもたれたならこちらをどうぞという感じで貴重な図録が閲覧できるように置かれている。

 

スマートだわ。

 

 

本の中の写真で、作家がキャンパスを縫っている姿を発見。

そうか、「絞り染め」ならぬ「絞り塗り」なのねっと独特のテイストにも納得す。

 

プリアージュ(折り畳み)という技法なのだとか。

糸で縛ったところには色が付かない。布のたわみ具合である種の自然な輪郭が生まれる。

 

なーんだと種明かしを知っても興醒めしないのは、やっぱり綿密に計算された作為と成り行きの調和がそこにあるからだと思うのです。

 

偶然をコントロールする。

 

すごく高度なこと。

 

 

この作家が高く評価されるのはそのようなところなのだろう。

 

 

 

 

プリアージュ技法の初期の作品。しわしわ感もあえて残してある。

 

なんかね、絵の前に立つと不思議と熱気が湧いてくる。

「マリアのマント」というシリーズらしい。

 

うん、なんかわかる気がした。

訴えたいこと、表現したいものが。

 

 

 

抽象画の生命線はメッセージがいかほど作品に乗っているかだと思うんだな。

具象画のようにきれいとか上手といった要素で誤魔化しが効かない。

 

その点において、どれもこれもよ〜喋る作品でした。大阪人に負けてへん(笑)

 

 

調和がありリズムがある均整のとれた作品は、それだけで上質なメッセージ。

 

 

シモン・アンタイ「Folding展」

2月4日まで開催しています。入場無料。

詳しくはこちら

 

 

 

 

 

帰宅して距離と時間をおいて振り返ってみる。

 

すると、会場では凝って見応えがあるように感じた初期の作風って荒削りで暑苦しいなとも思えてくる。

年代を経るにしたがって洗練されているなんてことにも気付く。

 

会場でやみくもに吸収してきた刺激や印象を解説を参照しながら整理分析する。

そんな時間もアートオタクの楽しみです。

 

 

 

5分ほど滞在して立ち去っていく人とエスパス(空間)を共有しながらも、独りしつこく画家の人となりを空想して過ごす(苦笑)

 

かまうものか、エスパス ルイ・ヴィトンにはフランス流の美と向き合う姿勢が満ちている。

そのうちスタッフに顔を覚えられてしまいそうだけど(笑)