おはようございます
タオさきです。
昨日の晩と今朝も京都はひんやりと
しています。
お昼間は暖かくなるみたいね。
部屋から見えるモッコウバラが、朝日を
浴びて満開で、なんだか嬉しくなります♡
さて、一昨日から小説をUPしています。
小説「本当のこと」③
葵は、昔から人に声をかけられやすかった。
特に、知らない人に、道を聞かれる回数が、半端なかった。たぶん、これまで100回以上はある。
結婚して、大阪から京都に引っ越してくると、日本人だけでなく、観光で訪れた外国人からも度々、道を聞かれた。
アジア系、欧米系、オセアニア系、アフリカ系とあまりに色んな外国人に聞かれるから、葵は、「道を聞きやすい、と思われる顔と雰囲気」は万国共通なのか、とすら思った。
そういえば、幼稚園ぐらいの時だろうか、母とバス停で立っていたら、通りすがりのひどく腰の曲がったおばあさんと目が合って
「ふくそな顔して」
と言われた。
意味が分からなかった葵は母に
「ふくそってなに?」と聞いたら
「幸福の福よ、福そうな顔、幸せそうな顔をして、という意味」と言われた。
今日も、あのころと同じようにふくそな顔をしていたのだろうか。
いい雰囲気、と言われて、葵はまんざらでもない気がして
「私も話してみたいと思っていました」と答えた。
けれど、あと三分もすればお茶の時間は終わってしまう。
葵は、内心、自分と共通するような話なんて、あるのだろうか、とよぎったが、週三回、自宅から徒歩五分の職場で電話対応と事務をしているだけでは、絶対に出会わないような彼女が、どんな人なのか、正直なところ、興味があった。
「もしよかったら、今度ランチでも一緒にどうですか?」とできるだけ、気軽な感じで聞いてみると、
眞規子さんはすぐに
「ぜひ」と、スマホをグレー革のカバンから出して、
「LINE交換しましょう」と言った。
プロフィール画像に使われているのは、彼女の少し若い頃の顔写真だった。写真は実物より、どこか、憂いのある顔をしていた。
(つづく)
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