
この本のことをご紹介したことがあったかなかったか……
あったとしても、
いま改めてご紹介したい。
松尾雅彦著、スマートテロワール
スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換/学芸出版社

¥1,944
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著者の松尾氏は、元・カルビー株式会社の社長。
ご縁があり、懇意にしていただいている(と私は思っている……)
松尾さん、私の父と同じ歳なんです。
使命感に溢れ、世界中を飛び回ってらっしゃいます。
カルビーでの現役の頃と同じように。
鋭く社会を、経済を分析する目。
なにもわからない私に、かみくだいて説明してくれる優しい目。
ユーモアたっぷり、いつも自然体、自分のことではなくこの世のことを考えるものの見方。
こんなシニア、いらっしゃるの~~というほどアグレッシブで素敵な方です。
確かな経験と実績に裏付けられている判断力・分析力は羨ましく、
先日お話していたときにキーワードとして上ってきた歴史のことを知るべく、
Amazonで何冊か買った本は、まるで外国語のようで、一ページたりとも読み進まず積んどくのまま……

前置きが長くなってしまいました。
松尾氏が提唱する「スマートテロワール」。
賢い消費者に支えられる小さな自給圏
これが農村の、農村農業の生きる道だ。っておっしゃっています。
この本、興味がある方にはぜひ一度読んでみていただきたいです。
経済構成、農業の良くないところを知り尽くした松尾氏が、
海外の取り組みをヒントに「スマートテロワール」を提唱されています。
私も、そうなっていくといいと思います。
農村は、野菜を作って消費地に送るだけでいいのでしょうか?
それで経済的にも自立できるなら、まだいいかもしれない。
でも現実は、農村でできた農産物は消費地に送られ、
他国の原料で作られたナショナルブランドやプライベートブランドの製品や加工品が、農村の大きなショッピングモールで売られていて、農村の人たちはそれらのもの(多大な輸送費が含まれているもの)を買う、という構図が出来上がってきています。
なぜ?そんな無駄なことをしないといけないのか?
この地でとれるものをこの地のオリジナル商品にし、
この地の人たちに食べてもらい、
この地の人たちといっしょにブラッシュアップして都会や海外で勝負できる強い商品を作り上げていこう。
というのが小さな自給圏 の基本的な考え方。
小売店の棚にズラリ並んでいたナショナルブランドやプライベートブランドの製品が、少しずつ地域のオリジナル製品に変わり、
地域はそれぞれの特色を持つようになり、
結果として、小さくても強い自給圏になります。
もちろん、これを支えるのは地域住民。
なので、地域の人をはじめ、農家、加工業者、小売店、すべての人たちの「同意」が必要。
だから、スグにできるようなものではないだろうし、
強力なリーダーシップを持つリーダーが必要だと思う。
そんな小さな自給圏が、これからポツポツと出来てくることを期待したいと思うし、
その中で「手間暇かけて育てた野菜はもういっぱいあるから、人が育てるんじゃなくて自然の仕組みの中から生まれた野菜を作ろう」という農家さんが出てきたり、それを買う人が出てくるといいなぁと思います。
やっぱりいくらネットや輸送手段が便利になってきたといっても、
野菜って遠くの人に届けようとすれば、いろいろな「余計なこと」が出てきてしまうんですよね。
なので、エコノミー・エコロジー的には「小さな自給圏」でやりとりするのが一番です。
スマートテロワール。
松尾氏が本を出されたのは一昨年の末のこと。
これから数十年たったら、きっとこの言葉はもっと身近になっているはず。