その友達と娘ちゃんのことを書きたいと思う。
仮に友達の娘ちゃんを、ゆめちゃんとでもしようか。
友達は保育士を20歳からずっとしていて、今は保育士主任とまでいわれる地位に就いている。
結婚が遅かったのも、自分は長女だから家を守りたいというのがあった、ことと、保育士を続けていたので男性には興味がなかった、ことを上げていた。
そんな友達だったから、いきなり、
「わたし、結婚します!。」
と、LINEの一報が来たときはわたしはとてもビックリした。そして嬉しかった。
友達は結婚後も今までと同じ職場(私立の保育園)で働き続けることを選んだ。同僚の人も結婚し育児をすることになっても働くことが多い、そんな職場だそうだった。会社側もそれを認めていてサポートをしてくれる、そんな保育園だそうだった。
友達はやがて妊娠し、昨年の6月にゆめちゃんを出産した。産休と育休を取り、ゆめちゃんの育児を頑張っていた。一年間の育休を取り、また復帰すると言っていたが、実際は今年の3月に復帰してしまった。なんでも、他の先生が妊娠し、早く復帰せざるを得ない状況になったということだった。
ゆめちゃんはお母さんである友達の勤めている保育園の0歳児クラスに入園しなくてはならなくなった。
友達は、ゆめちゃんが心配だと言っていたが、実際は慣らし保育をしたり、友達の両親であるじいちゃん、ばあちゃんがお迎えをしたり、友達はゆめちゃんとは違うクラスに配属されたりしたことにより、当のゆめちゃんはお母さん離れにだんだん慣れていったようだった。
「わたしが遅出の時は、ばあちゃん迎えなの。早出の時はわたしが連れて帰るけど。」
と、友達は言っていた。
「この前、早出だったから、ゆめのお迎えに行ったら、ゆめが、てんてー、って言ったのよ。だからびっくりしてしまったわ。」
「てんてー、って、『せんせい』のことね。」
わたしは思わず笑ってしまった。
ゆめちゃんの中には、お母さんである友達、の他に、『保育園の先生』である友達、がいるんだなあ。まだ1歳なのに、切り替えがすごいなあ。保育園では、てんてー、で、家でではママ、なんだろうな、と。
過去に、わたしが勤めていた保育園で、5歳児が同じ保育園で働いていた母親のことを、やっぱり、お迎えの時までは先生と呼び、お迎えになったらお母さん、と呼んでいたのを知ってはいたが、まさか、0歳児クラスにいる子供までが、区別をつけているとは思いもよらなかった。
でも、てんてー、って、なんと呼びやすいことか!。可愛くて仕方ない、もう、抱きしめたくなるくらい、頬ずりしたくなるくらい、可愛い一言である。
きっとゆめちゃんは、その内に、
『保育士として働くお母さん=先生』
と、
『家で母親として接してくれるお母さん=ママ』
と、ちゃんと区別していくのだろう。
子供って、順応性が半端ないなと思った。
友達は、
「うちの娘も慣れたから良かったよ。」
と言っていた。
ゆめちゃんは、バリバリ保育園で働くお母さん(わたしの友達)の娘として、これから保育園での生活をしていくのだろうと思う。てんてー、が、せんせー、になり、先生、になっていくと思う。ゆめちゃんの心の変化が楽しみになってくる。
ゆめちゃんのお迎えで、
「てんてー。」
と言われた友達は、
「てんてー、なんて、可笑しかったけど確かにそうよね、と思ったわ。」
と、心から笑っていた。
天晴れ、ゆめちゃん、である。