大好きなボノロンの絵本。

 

これからご紹介するストーリーは

無料配布はすでに終了し

ハードカバーでも販売されておらず

読み聞かせ動画もありませんでしたので、

このままご紹介いたします。

 

 

 

 


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2007年12月号

森の戦士ボノロン

いちばんうれしいプレゼントの巻

 

 

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むかし むかし あるところに

小さな村がありました。

 

村は祭りの準備で賑わっています。

明日は村を守ってくださる神様が

お生まれになった日です。

 

この日には 村人は

神様を生んでくれた聖母様に感謝をささげ

自分のお母さんにもプレゼントをするのです。

 


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幼いテンテンも

お母さんにプレゼントをしたいと思いました。

でも何をあげたらいいのかわかりません。

 

友達のヨウは「花束だ!」と言って

花屋さんに行きました。

チイは「ケーキよ!」と言って

ケーキ屋さんに行きました。

ところが テンテンは どちらにも行けません。

 

テンテンの家は貧乏で ヨウやチイのように

おこづかいを貰うことも

貯めておくことも出来ません。

だから、何も買うことが出来ないのです。


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「ぼくは お母さんに

何もプレゼントできないよ~!」

テンテンは悲しくなって

モミの巨木の前で泣きました。

 

その涙がポトリとモミの木の根っこに落ちました。


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すると

そこにオレンジ色の巨人と 犬が現れました。

 

テンテンは驚いて 涙も引っ込んでしまいました。

そんなテンテンに 犬が陽気に話しかけました。

「ワン!ワン!驚かなくていいワン!

オイラはゴン。

このでっかいのは ボノロンだワン」

 

ボノロンはテンテンに笑顔を見せました。

「さぁ 願いをひとつ言うロン。

オデがそれを叶えてあげるロン。」

やさしそうなボノロンに

テンテンは安心しました。

 


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「ぼくは何をお母さんにプレゼントできるかな?

何が一番喜ぶかな?

教えて ボノロンさん!」

テンテンの願いに

ボノロンは腕を組んで考えこみました。

 

「ボクにはお金がないんだよ。

だから何も買ってあげられないんだ。」

テンテンはかなしそうです。

 

すると ボノロンが いい事を思いつきました。

「だったら お母さんをよく見ているロン。

そうすれば 一番喜ぶものがわかるロン」

「お母さんを見てるだけ?」

「そう、そうすれば きっと見つかるロン!」

「ワワン!オイラも一緒に探してやるワン!」

ゴンとテンテンは一緒に家に帰りました。

 

 

 

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テンテンとゴンは

お母さんをじっと見つめていました。

お母さんは働き者です。

少しも休む事がありません。

今日は雪が降っています。 とても寒い日です。

 

それなのに 

お母さんは外でニワトリや牛の世話をしています。

お母さんはとっても寒そうです。

「お母さんは働いてばっかりだ。

ちっとも

お母さんが喜ぶものなんか見つからないよ」

テンテンは困ってしまいました。

 

「そんなことないワン。

もっとお母さんを見るワン。

きっと見つかるワン!」

ゴンにそう言われて

テンテンはもう一度お母さんを見ました。

 


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すると…。

寒そうなお母さんの靴が 

敗れているのに気が付きました。

そこから雪が入って 足がとっても冷たそうです。

 

でも

お母さんの靴は一足だけ、他に靴はありません。

お母さんも靴を買うお金がないのです。

だから 

寒くても我慢して

破れた靴を履いていたのです。

 

「こんなに寒いのに…。お母さんはあんな靴で…。

ぼくは 今まで 気づかなかった…。」

「お母さんは とっても働き者だワン。

だから テンテンは ご飯を食べたり

友達と遊んでいたりすることができるワン」

テンテンの目が少しだけ涙に光りました。

 


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夜があけて…。朝が来て…。

お祭りの日がやってきました。

村は真っ白な雪で覆われています。

そこにキラキラ陽がさして

雪が美しく輝いています。

 

村のあちらこちらから 笑い声が聞こえてきます。

子供たちがお母さんに

プレゼントを渡しているのです。

みんなとっても幸せそうです。

 


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テンテンのお母さんは

この日は少し朝寝坊をしました。

毎日毎日働いて、お母さんも疲れていました。

今日は村中みんなお休みです。

だから お母さんも少し 朝寝坊したのです。

 

台所から物音が聞こえてきました。

どうやら テンテンは起きているようです。

「あら いけない! 

きっとテンテンがお腹を空かしているのね」

お母さんは急いで

ベッドからおりて靴を履こうとしました。

 

ところが そこには靴はありません。

「どうしたのかしら…私の靴は?」

 

靴を探しているとベッドの枕元に

リボンをかけた箱が置いてありました。

その箱をあけると そこにはピカピカに磨いた

小さな靴が入っていました。

 

お母さんは

じっとその小さな靴を見つめています。

「この靴はテンテンの靴… それがどうして?」


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お母さんは台所へやってきました。

テンテンは そこでミルクを飲んでいました。

「おはよう!お母さん!」

テンテンは元気な声で朝の挨拶をしました。

そんなテンテンの足を見ると 

テンテンは

破れて穴の開いた古い靴を履いています。

その穴からは大きくなった

テンテンの足の指がはみ出しています。

 

「これは?」

お母さんがテンテンに小さな靴を見せると

テンテンの目がキラキラの笑顔で答えました。

「お母さんへのプレゼントだよ!

破れた靴じゃ 寒いでしょ

だから その靴履いてね!」

 

お母さんは笑顔でテンテンに言いました。

「ありがとうテンテン。

でもね…この靴はお母さんには小さすぎるわ…」

「え!?その靴履けないの?」

「そうよ!だからこの靴はテンテンが履きなさい」

 


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お母さんがやさしくテンテンの頭をなでると

テンテンは顔をくしゃくしゃにして泣きました。

「あらあら テンテンどうしたの?

そんなに泣いたりして?」

「ごめんね お母さん…ボク…

何もプレゼントできなくて…」

小さなテンテンは お母さんが喜ぶと思うと

テンテンの靴が お母さんには小さい事も

破れた靴では

自分が寒くなる事も忘れてしまったのです。

 

でも お母さんは

そんなやさしいテンテンの気持ちが

うれしくて たまりませんでした。

お母さんの目からも 涙が溢れだしました。

 

お母さんはテンテンをしっかり抱きしめました。

「母さんはとっても嬉しいわ…

こんなに嬉しいプレゼントは初めてよ。

テンテン ありがとう」

 


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窓の外からボノロンとゴンは

二人を見ていました。

「テンテンは 優しい子だワン」

「そうだロン。テンテンがモミの木に流した涙は

とってもきれいだったロン。

だから オデたちは 

テンテンの願いを叶えにやってきたロン」

そういうと

ボノロンはお母さんのために持ってきた

新しい靴をそっと玄関の前に置きました。

 

ゴンは少しだけ残念そうです。

「テンテンに この靴をあげればよかったワン。

お母さんは もっと喜んだワン!」

でも ボノロンは首を横にふりました。

「違うロン。テンテンの願いは

お母さんに喜んでもらうことだロン。

それは 靴なんかじゃないロン。

お母さんには 

きっとテンテンの気持ちが

一番嬉しいプレゼントだロン。」

 

ゴンは窓から

もう一度テンテンを抱きしめている

お母さんを見ました。


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そして…。

「そうだワン…きっと そうだったワン」

とつぶやきました。

 

その時 ゴンの目からも

涙がポトリと落ちました。