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前回の話

 

M田はちか子の部屋をノックした。

 

ドアの隙間から顔をのぞかせるちか子。

 

「あら、カモさん。どうしたの?」

 

「次はちか子さんが狙われるかもしれません! 私が命をかけてお守りします!」

 

M田の勢いに圧倒され、ちか子は困惑した表情に。

 

「えっ、どうして私が・・・?」

 

「リカティの祟りです!」

 

「カモさんは私が不純な動機で合宿に参加したと思っているのかしら?」

 

「いえ、まさか・・・あせる でも莉多子さんが、次に狙われるのはちか子さんだって言っていたから・・・」

 

しどろもどろになるM田。

 

「私は本気で婚活しているから安心して。でもカモさん、心配してくれてありがとう。私、ますますカモさんのこと好きになりそう」

 

「えっ!」

目がハートになるM田ラブ

 

「私は今日、部屋から一歩も出ないから大丈夫。カモさんの気持ちだけで十分に嬉しいわ」

 

「では、何か困ったことがあったらいつでも呼んでください!すぐに駆け付けます!」

 

「ありがとう」

 

にっこり微笑むちか子。

 

 

莉多子がラウンジを通りかかると、和歌子が熱心に本を読んでいた。

 

「和歌子さん、何を読んでるの?」

 

「莉多子さんの本です」

 

本のタイトルを見せる和歌子。

 

 

「やっぱり双子ね。この本、昨晩貴子さんが読んでいたのよ」

 

「そうなんですね・・・」

 

「そういえば、貴子さんにこの本を貸そうとしたら『私には時間がないから』って言っていたのよ。今思えば、意味深な発言だったわね・・・」

 

「やっぱり貴子は死を覚悟していたのだと思います。最近の貴子はメンタルがおかしくなっていて・・・」

 

「そうなの?元彼と復縁して、てっきり幸せだと思っていたけど」

 

「私、貴子の彼氏から言い寄られていて・・・。貴子の歴代の彼氏は必ず私のことを好きになるんですよ。顔は一緒なのになぜでしょう?」

 

「え、だって、それは・・・」

 

莉多子が言いかけた時、M田がラウンジにやって来た。

 

「莉多子さん、さっき立ち聞きしてしまったのですが、なぜ次にちか子さんが狙われるのでしょう?」

 

詰め寄るM田にたじろぐ莉多子。

 

「えっと、それは・・・」

 

さらに、加山もやって来た。

 

「これは、みなさんお揃いで!私も部屋でジッとしていられなくてね」

 

「そうだ、私、急用を思い出したわ。先に失礼するわね」

 

そそくさと立ち去る莉多子。

 

加山はキョロキョロと周囲を見渡すと、ぼそっと小声で話し出した。

 

「やはり、祟りなんて非科学的なことは信じられませんよ。やっぱりあいつが怪しいと思いませんか?」

 

「あいつとは?」

 

「あの、翔子って女ですよ。殺人事件が起こっているのに、異様に冷静でゾッとしましたよ」

 

「そういえば、クス男さんは翔子さんにストーカーされていたと言ってました・・・」

 

和歌子がポロリとこぼす。

 

「実は私、今日クス男さんと翔子さんがハブさんの部屋に入っていくのを見たんです!」

 

M田の発言に驚く加山。 

 

「何?どういうことです?」

 

「よくわかりませんが、二人はなんらかの事情を知っていた。そして、その後クス男さんは殺害された。だから、私も合宿メンバーの中で翔子さんが最も怪しいと思っています・・・」

 

「やっぱり、犯人は翔子で間違いない!今すぐ、本人を問い詰めにいこう」

 

熱くなる加山を必死でなだめるM田。

 

「いや、まだ断定はできませんよ。それに、クス男さんが倒れていた時、翔子さんは人工呼吸をして必死で助けようとしていました!」

 

「もしかして、助からないとわかっていてのパフォーマンスじゃないかしら?」

 

パフォーマンス・・・?

和歌子の言葉にM田はハッとした。

 

翔子はクス男に異様に執着していた。

しかし、クス男からは避けられ、叶わぬ恋だった。

 

クス男が意識不明で倒れていた時に、必死で人工呼吸をしていた翔子。

もしかして、クス男とキスがしたかったのでは!?

 

もし、目の前にちか子さんが倒れていたら、私もすぐさま人工呼吸をするだろう。

でも、どさくさに紛れてちか子さんと堂々とキスできる!という下心を抱いての行動かもしれない。

M田はそんな考えを持った自分が恐ろしくなった。

 

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