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リカティ伝説殺人事件を最初から読む

 

「貴子、中にいるんでしょ?開けてよ!」

 

 

ドアを叩いても、全く反応がない。

ドアノブをガチャガチャ回しても、鍵がかかっている。

 

そこへ、莉多子、M田、加山がやって来た。

 

「えっと、あなたは・・・」

 

「和歌子です」

 

「和歌子さん、どうしたの?」

 

「中に貴子がいると思うんですが、開けてくれなくて」

 

「えっ、貴子さんがハブさんの部屋に?」

 

「もしや、今お楽しみ中なのかな?」

 

加山がニヤリとする。

 

「そんなわけないでしょ!」

 

「ごめん、和歌子さん。冗談だよ・・・」

 

「ハブさん!莉多子です、今すぐここを開けてちょうだい!」

 

莉多子がドアをドンドンと激しくノックする。

 

シーーーン。

全く反応がない。

 

「開ける気がないわね・・・。私たちハブさんに用があって来たのよ。こうなったら、合い鍵を使うしかなさそうね。管理人室に合い鍵があるので、取ってくるわ」

 

数分後。

合い鍵を手にした莉多子が、ハブ部屋の扉を開けた。

 

室内は真っ暗だ。

 

莉多子は、すぐさま部屋の電気をつけた。

 

目に飛び込んできた光景は・・・

 

「キャーーーーッ!!」

 

大きな悲鳴が響いた。

 

床に、男が倒れていた。

さらに、テーブルに突っ伏すようにして女が倒れている。

 

「えっ、ハブさんと貴子さん?なぜ、このような状況に!?」

 

あわわ・・・とうろたえるM田。

 

莉多子はすぐさま、二人の脈をとる。

 

「ダメだわ、二人とも息をしていない・・・」

 

「貴子~~、どうしてこんなことに!」

 

騒ぎを聞きつけて、翔子とクス男がやってきた。

 

「まぁ・・・これは・・・」

 

絶句する翔子。

 

クス男はスッと遺体に近づくと、首に手を当てた。

 

「まだ温かい。死んで間もないぞ。これは・・・毒殺だな。おそらく、ワインに毒が盛られていたんだ」

 

「随分と詳しいのね」

 

思わず皮肉る翔子。

 

和歌子がポツリとつぶやいた。

 

「貴子が復讐したんだわ・・・」

 

「復讐ですって?」

 

翔子が鋭く聞き返した。

 

「ええ。貴子はハブに復讐するつもりで合宿に参加したの。莉多子さんも事情を知っているでしょ?」

 

「確かに、私は貴子さんに頼まれて、ハブさんを合宿に招待したわ。でも、貴子さんはハブさんに罪を償ってほしいと願っていたの。ハブさんを説得して自首させたいと言ってたのよ。まさか復讐だなんて!」

 

「一体、自首とは・・・?」

 

M田が問いかけた瞬間、興奮気味に加山が叫んだ!

 

「ハブさんが腕にはめてる時計、これは私のですっ!」

 

「やっぱり・・・」

 

フーッと深いため息をつく莉多子。

 

「実はハブさんは窃盗癖があるのよ。今回も参加者の貴重品やお金を盗んでいるわ。加山さんとM田さんはすでに被害に遭っているけど、他にも被害が出ているかもしれないわ」

 

「えっ、マジで!?」

 

慌てるクス男。

 

「貴子さんも過去にハブから窃盗被害に遭ったということでしょうか?」

 

M田が尋ねる。

 

「ええ。貴子はハブに大事なものを盗まれて、ずっと根に持ってたのよ。でもまさか、ハブを殺して、自殺するなんて・・・」

 

「まだ、犯人は貴子さんだと決まったわけじゃないよ。貴子さんに自首を説得されて、逆上したハブに殺されたのかもしれない」

 

冷静に分析するクス男。

 

翔子は部屋をキョロキョロと見渡した。

 

「おかしいわね。部屋の鍵が見つからないわ。みんながここに入った時、鍵がかかっていたそうね。犯行後、誰かが鍵をかけて出て行った可能性もあるわ」

 

「えっ、他に犯人がいるってこと?」

 

翔子の推理に驚く莉多子。

 

「うーん、そうかな。犯人が犯行後に鍵を窓から捨てて、他殺に見せかけたうえで自殺したのかもしれない」

 

すぐさま反論したクス男を、翔子がキッとにらみつける。

 

遺体を注意深く観察していたM田が声を上げた。

 

「おや、これは何かな?」

 

遺体は何かカードを握っていた。

 

「これは・・・婚活かるただわ!貴子さんは「ね」の札、ハブさんは「し」の札を握っているわ」

 

M田はハッとした。

 

「カードを2枚合わせると「しね」になりますね!これは、怨恨の線が大きいですな」

 

「やっぱり、貴子がハブを恨んでやったのかしら・・・」

 

ワッと泣き崩れる和歌子。

 

「とにかく、今すぐ警察に連絡しないと! ここはスマホの電波が入らないから、カモさん、下の電話で通報してくださるかしら」

 

「承知しました!」

 

M田は急いで部屋を出ていったが、すぐさま戻ってきた。

 

「ダメです、莉多子さん!大雪のせいで電話線がショートしています。現在、電話もネットも繋がらない状態です!」

 

「まぁ、なんてこと・・・。仕方ないわ。今夜はもう遅いので、みなさん部屋に戻って休みましょう。明日、雪が止んだら山を下りて、通報しましょう」

 

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