【化粧水不要論】の根拠として挙げられる論文で「全ての化粧水が不要」を主張するのは絶対ムリという話 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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今日はじっくりブログを書きます!!!(また深夜の更新になってしまった。。)




先日ちょっとツイッター界隈を賑わせた

 

『化粧水不要論』

 

の再来なんですけど、

(見てた人も多いかもしれませんね)

 

 

結構昔から何度も出てきては物議をかもしております。

 

 

今回は何かと話題になる某皮膚科医の人が発信して、案の定かなり炎上していたんですが

 

元を正すとメンタリストのDaigoさんがYouTubeで発信してから言われるようになった話だと思います。

 

 

それで、以前も似たような内容のブログは書いているのですが、

 

化粧水抜き・ワセリンのみ・化粧品不要…?「正しいスキンケア」をどう考えるべきか かずのすけの持論

 

 

 

このときはその発信の元手になっている『論文』を見つけることができなくて

(見つけてたけど中身を読めなかった?)


ぼんやりした感じのブログを書いていたのですが

 

 

 

先日の一件で再調査したらその発信の根拠の元になっている論文その中身を解説したブログを見つけることができたので

 

その解説と、そこから導かれる真の結論についてお話したいと思います。

 

 

 

結論から先にいうと、

 

この文献を根拠に「すべての化粧水が不要」と判断するのは無理がありすぎる

 

という内容でした。

 

 

 

◎大元の論文は?…『一般的な保湿剤(クリーム、トナー、スプレー水)の併用と単回使用での肌の水分補給の比較』

 

 

 

この意見の後押しとなっている論文はこちらですね。↓

Comparison of skin hydration in combination and single use of common moisturizers (cream, toner, and spray water)

Li YuanxiHua WeiXiiong LidanLi Li



日本語に直訳すると

『一般的な保湿剤(クリーム、トナー、スプレー水)の併用と単回使用での肌の水分補給の比較』

という感じになります。

 

 

この論文の結果について

 

Daigoさんのブログでは↓のような感じでまとめられており、

 

化粧水も要りません。
別の研究ですが、

 

  • 化粧水だけ塗ったグループ
  • クリームだけ塗ったグループ
  • 化粧水・クリームの順で塗ったグループ
  • クリーム・化粧水と普通の逆の順に塗ったグループ


で肌質を比較するという実験が行われています。


その結果、化粧水だけ塗ったグループは1〜2時間で蒸発しますから全く意味がありませんでしたが、それ以外のグループは全く効果が変わりませんでした。つまり、クリームを塗りさえすればその効果は変わらないということです。

 

多くのサイトでもこんな感じに解釈している?ので、

 

化粧水不要の主たる論拠になっています。

(なぜかここには参考文献が書いていないのが不思議…)

 

 

 

ただ英語なので日本人だと中身までしっかり読む人はいないというのと、

 

このPubMedという媒体は中身まで読めるものではないので

 

 

中々その内容を細部まで検証したっていう情報が日本のブログとかでは見つけることができませんでした。

 

 

 

 

 

 

◎英語サイトで解説しているブログを発見!内容を解説

 

 

それで、海外のブログなどにないかな?と思って調べてみたところ、

 

こちらのブログで実際に内容を解説されていました。

 

Comparison of skin hydration in combination and single use of common moisturizers (cream, toner, and spray water)

 

 

グーグル翻訳に頼ればかなりスムーズに読むことができると思います。

(最近の翻訳機能、凄い…。)

 

 

 

長端的に解説していくと以下のような内容でした。

 

  • 乾燥肌の女性と健康肌の女性計20人を対象に3つの製品(クリーム、化粧水、ミネラルウォータースプレー)のさまざまな組み合わせと、さまざまな塗布順序が肌の水分に及ぼす影響を調べる実験を行った。
  • テストに使用した製品はWinona社のクリームと化粧水とアベンヌウォーターの3つのみ。
  • 電気の通りやすさから測る「角層水分量」のみを計測している。

 

8つの異なる組み合わせと手順は次のとおり。

  • 化粧水を2時間ごとに再塗布(TT)
  • クリーム→化粧水(C + T)
  • 化粧水のみ(T)
  • クリームのみ(C)
  • クリームと水を2時間ごとに再塗布(CS)
  • 未処理(コントロール)
  • クリームと化粧水を2時間ごとに再塗布(CT)
  • 化粧水→クリーム(T + C)

 

<結果>

 

ノーマル肌の人↓の場合

乾燥肌の人↓の場合

 

これを雑に見ると、

 

  • 最も保湿効果が低いのは化粧水単品の使用
  • クリームのみで使用したものと、化粧水→クリームで使用したものは保湿力がほとんど変わらない
 

というふうに見ようと思えば見れますね。

 

 

 

しかしこれもちょっと穿った見方だなと僕は思いました。

 

 

 

◎この実験で分かるのは「Winona社の化粧水は保湿力が低い」ということのみ

 

 

前提条件の時点でこれを根拠に化粧水不要を主張することへの反論は完了すると思います。

 

 

というのも、

 

まずこの実験は、

 

以下のような成分の「Winona社製のクリームと化粧水(トナー)」のみを使用した実験です。

 

(+スプレーウォーターとしてアベンヌウォーターを使用している)

 

 

 

 

もし、僕がこのブログで化粧水不要論を正当化するために実験のブログを書くとします。

 

 

その時、化粧水を一つしか用意せずに、上記の実験のような比較をして、

 

「ひとつの化粧水でこういう結果が出たので、すべての化粧水は不要です!!」

 

なんてブログを書いたとしたら、

 

誰がどう考えても信用に値しないですよね?

 

 

大炎上間違いなしでしょう(笑)

 

 

だって「一つの化粧水」ですよ??

 

 

 

それだけではその化粧水のみの効果しか分からないので、

 

一つの製品の結果を一般論としてすべてに当てはめるなんて絶対におかしいです。

 

 

 

少なくとも10製品は持ってこないと統計的に意味をなしません。

 

 

 

 

つまりこの実験で最終的に言えるのは、

 

「Winona社の化粧水はめちゃ保湿力が低い」

 

というその結果だけです。

 

 

 

 

これをすべてに当てはめるためには、この化粧水の結果がすべての化粧水の結果と等しいと結論づけるに値する別の何らかの実験が必要のはずです。

 

しかしこのデータではそれは無視されています。

 

あくまで

 

「Winona社のこの化粧水は保湿力が低い」

 

ということのみがこのデータの示す答えであり、

 

 

研究者たちの考察も非常に的はずれであると僕は思います。

(この研究に加担した人たちに化粧品の研究者が居たのか甚だ疑問です)

 

 

 

 

まぁ仮に10製品で比較していたとしても、

 

日本の化粧品でもありませんし、対象も日本人ではない、季節や環境も全く異なる…

 

これらの相違点がある時点で

 

海外のひとつの論文のみを根拠に化粧水不要を主張するのは無理がありますよね。

 

 

欧米と日本での肌質の違いなどについても以下のブログに以前まとめています。

 

アメリカ人への推奨スキンケアは日本人にも当てはまるのか?「肌質」と「人種差」について

 

 

 

 

◎この化粧水のみでは保湿力や保湿持続性が低いのは当然

 

 

しかも、この化粧水…

 

成分見るからに保湿力低そう。。

 

 

水の次にペンチレングリコールが配合されてます。

 

ペンチレングリコールは防腐剤代用成分なので敏感肌への刺激があり、日本ではこのような処方はあまり見られません。(外資系の防腐剤無添加のやつには稀にあります)

 

NMFやセラミドとかも入っていないし、保湿できそうなものとしてはグリセリンとヒアルロン酸Na(ほんの少し)くらいで、

 

十分な保湿力が期待できるとは思えない構成。

 

日本の化粧水でこれより保湿能力が低いものって多分あまりないと思いますよ…。

 

 

 

成分見るだけで大体の結果が予想できます。

 

 

 

 

まぁこれでも2時間おきに使用すれば十分保湿は出来ているのですが、

 

油分なども含まれていないので保湿持続力が低いのは明らかです。

 

 

クリームのみと比較して化粧水単品が明らかに保湿持続性が低いのは、

 

保湿持続は水分の蒸発を防ぐ効果がもっとも重要なので、

 

油分の密閉性がものを言います。

 

 

そういう意味で、このように保湿持続性を持つ成分が含まれない化粧水のみでは

 

十分な保湿を維持できないのは当然です。

 

 

 

 

◎「化粧水+クリーム」と「クリームのみ」の2時間後以降の水分量がほとんど同じなのはどうしてか?

 

 

ちなみに、化粧水+クリームを使った場合と、クリームのみを使った場合とで

 

2時間後以降の肌の水分量がほとんど変わらないことを、

 

これを=化粧水には水分の保湿力がないと解釈するのは素人の考え方だと思います。

 

 

単純な話ですが、人の「角層」は保持できる水分量に限りがあるのです。

 

 

だから化粧水を使ってからクリームを塗ろうと、クリームだけを塗ろうと最終的に保持できる肌の水分量自体はさほど変わりません。

クリームも50~80%程度は水です)

 

 

 

あとはこれを保持できるかどうかは油分で密閉するかどうかですよね。

 

 

クリームはかなり保持できてきますので、これは保湿力という点でいうと良い製品だろうなぁと思います。

 

 

 

 

◎「水分の増減のみ」を測る実験に意味はあるのか?

 

 

また、この実験で水分量のみを調べていますが、

 

水分の増加量のみを測って化粧水の要・不要を判断するのってものすごく不毛なんですよね。

 

 

これはみついさんも仰っていましたが、

 

 

『化粧水』というのは「水」という溶媒を用いて

 

セラミドやNMFやその他の保湿成分や美容成分などを肌に補給するための化粧品です。

 

 

 

主成分の「水」自体は先程も申したように角層に取り込んで保持できる量には限界があるので、その大半は徐々に蒸発していきます。

 

だから言ってしまえば主成分の水などは別にどうでも良いんです。

 

蒸発して頂いていっこうに構いません。

 

 

本当に欲しいのは、

 

不要な90%の水ではなくて、そこに含まれている10%の美容成分です。

 

 

 

水をベースにして補給した方が良い美容成分は多々多々あるため、

 

化粧水というのはそのために存在しています。

 

 

水の増減のみを測っても、そこに存在する美容成分については一切分かりません。

 

(まぁこの化粧水は美容成分といえるものはほとんど入っていないんですがw)

 

 

 

あと、化粧水はその他にも肌の状態を水分優位にして水性成分の浸透性を上げたり、

 

pHを調節したり、その後の化粧品の伸びを良くしたり、

 

使うことでの様々な利点があります。

 

 

セラミドなどの高保湿成分を多く配合しているものであれば、

 

化粧水のみでの保湿だって全く不可能ではありません。

 

 

皮脂量などが多い人であれば、保湿持続のための油分は十分自分で作ることができます。

 

 

 

 

◎水分量が多ければ肌に良いのか?

 

 

また、水分量が多いほど肌に良いのか?というのもなんとも言えない点でもあります。

 

 

そもそもですが、日本人は欧米人に比べて肌の水分量が低い特徴があります。

 

(コンダクタンス≒水分量と考えてOK)

 

 

でも日本人のほうが大半の欧米人より肌はきれいですよね。

(多分似たような傾向の韓国人も肌はきれい)

 

 

ここから考えても水分量高ければ肌が綺麗か?というのはなんとも言えないですから、

(ちなみに上の実験の乾燥肌とノーマル肌は水分量のみで分類しているので、肌の健康状態は関係ない)

 

 

その人の肌にとって適した肌の水分量というのは多分人それぞれ違うので、

 

高保湿なクリームよりも、あまり高保湿じゃない化粧水の方が肌の調子が良い人が居てもおかしくないと思うんですよ。

 

 

 

先程のいかにも保湿力の低めの化粧水でも、

 

何もしないよりは保湿できてますからね。

 

 

その方が良いという人も居るんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

少なくとも僕は油分が多いクリームは苦手な肌質なので、

 

化粧水のほうが使いやすいです。

 

 

 

もちろん、一方で化粧水がないほうが良い肌質の人もいると思いますので、

 

そういう人は無理に使う必要はないと思います。

 

 

 

 

◎化粧水不要を主張するには全く不十分な論文

 

 

というわけで、

 

中身を解説しているブログを見つけることができて本当に良かったなぁと思うのですが、

 

結論としてはやはりこれだけで化粧水不要を主張するのは根拠として弱すぎますね。

 

 

 

弱すぎるというかそもそも前提条件によっていくらでもこんな研究の結果は作れてしまうので、

 

全く意味がない結果だと思いました。

 

 

 

 

ところで、この乾燥肌のデータでは、

 

 

 

濃い紫色(化粧水→クリーム)の手順が2・4・6時間後は1番水分量高くて

 

最終的な8時間後でも2番手くらいの保湿持続力なんですよね。

 

 

 

乾燥肌に対しては化粧水を使ってからクリーム使うほうが総合的には優位な気がするんです。

 

少なくともクリームのみと比較したら化粧水を使うメリットは十分ある結果だと僕は思うんですけどね。

(統計的には有意差とは言えないのは理解した上で)

 

 

 

まぁいずれにせよこれだけの結果ではひとつの製品のことしかわからないので、

 

「なんとも言えない」としか言えないですが(苦笑)

 

 

 

これだけですべての化粧水が意味ないと結論づけるのは流石に無理がありすぎると思いますね。

 

 

 

というわけで今日は以上です!

 

 

 

 

 

 

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