ボクはかつて
中学生の不登校児の学校復帰を支援する塾長をしていた。
それはボクが
ボクのカケラを拾い集める旅でもあった。
夏期講習。
受験生の彼らにとって
めちゃくちゃ大切な夏時間。
不登校児だった彼らが、
なぜか全員高校への進学を希望した。
ボクは困った。
学力レベルがそれぞれの彼らを
教えるのはボク1人だからだ。
彼らにとって必要なことは
より質の高い環境を用意することだ。
ボクには
予備校を経営するお友達がいる。
そこの塾に合宿に行くことにした。
その場所は県外だった。
夏期講習、
お友達割引をしてくれた。
宿泊はどーする?
食べ盛りの食事代はどーする?
ボクの決断により、
親御さんの出費はかさむ。
予備校を経営するそのお友達の家はデカい。
宿泊場所は決まった。笑
2つ返事でOKしてくれた。
そして毎日家中を掃除することで、
無料にしてくれた。
理事長の1時間の身体メンテナンスも
ボクの重要な志事だ。
食事代。。。
日中、ボクは予備校の寮でアルバイトをした。
その日の全員分の夕食を分けてくれると言う。
朝6時から休むヒマなどない。
彼らの洗濯は日に5回。
最後の洗濯が終わるころには
午前0時を回る。
勉強を教える代わりに、
彼らの身の回りの世話と
食事代を稼ぐのが塾長の志事となった。
1週間が経つころ、
身体の疲れはピークに来ていた。
予備校のすぐ近くの病院に
ちょうどお祖父ちゃんが入院していた。
お昼ご飯を携えて、
ほぼ毎日病院を訪れた。
滞在は長い時で20分だ。
その日はあまりに疲れていたので、
ここで少し眠らせて、というと
シングルのベッドの上を半分空けてくれた。
いやいや、座ったまま寝るからと言うと、
眉間に皺を寄せた。
結局甘えることにして、
狭いベッドに横になった途端、
身体の力が抜ける。
隣を見ると、
驚いた顔で祖父は呟く。
「孫が隣で寝るなんて、
この世の奇跡じゃ。」
ベッドを横取りしたのに
奇跡だなんて変だよ。
でもなんだか悪い気はしない。
その翌年、彼は逝ってしまった。
夏期講習の遠征という決断が、
お祖父ちゃんとの最期の時間を
ボクにプレゼントしてくれた。
ボクは核家族で育ったから、
祖父母との思い出は少ない。
そして不思議なことに、
その4人のうち1人(もう1人の祖父)は会ったこともない。
でもなぜだか
会ったこともないその人はいつもボクのそばにいて、共に生きている感覚がある。
ボクが得度をあげたのは、僧侶だったらしいその人の仕業ではないかと少々疑っている。笑
今夜はなぜか寝付きが悪く、、
ふいに
夏期講習中に会ったお祖父ちゃんを
思い出していた。
思い出した祖父に出逢い頭にハグをした。
普段は忘れているのに、笑
やはり愛しい気持ちが湧き上がる。
そして次に2人の祖母にも。
思い出すことすら少ないが(ええ薄情ですとも
思い出した人に出逢い頭にハグをするなど
初めての体験だ。
記さずにはいられない。
なんてステキな体験をしたんだろう。
祖父母が揃って逢いに来てくれるなんて
そしてそれに気付けるなんて
なんて幸せな1日の締めくくりだろう。
寝付きの悪さが最幸のプレゼントだなんて。
また逢おうね。
そして今はこの時の10倍以上になって福福してます❣️



