"フツーのモノがマジメにおいしい"。これが基本だよね。(p15)
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3度のメシより!? レバニラ炒め
10,865円
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(新刊・中古本とも妙に高値がついていますが、「味の素 食と文化のライブラリー」に所蔵されています)
近年「町中華」というジャンルが話題を集めている。そこにある「冷やし中華」「レバニラ炒め」「天津丼」「中華丼」などは、中国の中華料理店では見られないメニューとして知られている。そんな「ニッポン中華」について調べた書物が、14年前に出版されていた。
麺文化研究の大家である石毛直道さんの巻頭言に続いて、泉麻人さんと町田忍さんの「町の中華屋」対談。冒頭の引用部は、対談での泉さんの締めの言葉。この1冊を通してのテーマになっているように思える。そして、町の中華屋考現学として「暖簾」「店舗」「サンプル」「美女ポスター」「テレビとマンガ」「食器と調味料入れ」「メニュー」「冷やし中華」について考察を加えている。
「店舗」の項で紹介されている「稲穂@早稲田」は、この書が出版された10年後の2014年に閉店。1階が店舗で2階が住居という「職住一体」のメリットが語られているが、その一方で、ご主人が引退しても2階の住居は必要になるため、1階を他人に貸すわけにはいかないという、現在のシャッター商店街と同様の問題がここから繋がっているようにも感じる。
続いては、全国各地の「ニッポン中華」を追跡。「焼餃子」を根付かせた、渋谷と大阪の「珉珉(みんみん)」、長崎では「ちゃんぽん」と「皿うどん」、神戸南京町では「豚まん」、横浜中華街では「焼売」の歴史を探るが、戦前の大阪川口に中華街があったというレポは興味深かった。
一方で、日本の本格中華料理店の中にも「ニッポン中華」の影響を与えているとして、まずは「四川飯店」の陳健民氏が日本の中華料理に与えた影響。そして息子の陳健一氏と、台湾料理「龍潭」の程一彦氏へのインタビュー。また、中華料理をローカライズした料理として「沖縄料理」「コリアン中華」「サンマーメン・太平燕」が紹介される一方で、日本有数の高級中華料理店や、中華街の人気店で冷やし中華や焼き餃子を注文するレポも。
終盤では、中華料理とは縁の深い「化学調味料」について。もちろん肯定的なスタンスで、日本の「味の素」と中国の「天厨味精」の関係性を紹介。その後、「赤坂璃宮」の譚彦秋さんと、ラーメン評論家である武内伸さん、「龍坊」の孫成順さんのインタビューを掲載しています。最後には、「麻婆豆腐の素」や、桃屋の瓶詰めメンマやザーサイに見る、ニッポン中華の食卓への浸透度を語っています。
高級中華から家庭料理まで、様々なジャンルから日本化された中華料理の広がりを紹介した一冊。メインは今で言う「町中華」だが、それだけでなく、東京に偏りがちなジャンルだが、各地へのレポもあって新しい発見も多い。食堂や蕎麦屋にこっそり馴染んでいった「中華の部」というジャンルにも目を向けてほしかったが、ボリューム的には既にいっぱいだったのでちょうどいいかもしれません。
